合格を勝ち取る教採対策講座 ウォーミングアップ編(3)気になる「競争倍率」をチェック


月刊『教員養成セミナー』前編集長 教育ジャーナリスト 佐藤 明彦


教員採用試験の競争倍率が下がっている――。そんなうわさを耳にした人も多いでしょう。確かにここ数年、緩やかな低下傾向にあり、2017年度実施試験では4.6倍(全受験区分平均・教育新聞社調べ)と、過去5年で最も低倍率となりました。18年度実施試験の最終倍率はまだ分かりませんが、さらに下がる可能性もあります。

しかし、この情報だけで「合格しやすくなっている」と早合点してはいけません。全体としては低下傾向にあるものの、状況は自治体や受験区分によって異なるからです。実際、横浜市や滋賀県のように、10年前と比べても平均倍率が顕著に上がっている自治体もあります。こうしたデータは、文科省が「公立学校教員採用選考試験の実施状況」として公表しているので、ホームページ上で確認してください。

気になるのは19年度実施試験の倍率がどうなるかです。私の予想では18年度と同じくらいか、やや下がる程度ではないかと思われます。

倍率は「受験者数÷採用者数」で算出されますが、受験者数は18年度と同等か、やや減少する程度だと予想します。どの自治体も受験可能年齢を引き上げたり、遠隔地に1次試験会場を設けたりして、受験者数の確保に腐心していますが、民間の就職状況が堅調なため、増加は考えにくいでしょう。一方の採用者数も15年度実施試験をピークに減少傾向にあり、「教員不足」が各地で騒がれる中でも、正規採用数の増加は考えにくいでしょう。

ただしオリンピックイヤーとなる20年度以降は、景気も不透明なだけに、どうなるか分かりません。バブル期の1991年度に4.2倍だった全国倍率が、99年度に13.3倍にまで跳ね上がった例もあります。これは極端なケースにせよ、20年度以降は緩やかに倍率が上昇し始めることも考えられます。19年度の受験者は、できれば「一発回答」を出したいところです。

なお、倍率が半分になれば、難易度も半分になるかといえば、そうではありません。教員採用試験の受験者の中には、みっちりと対策を積んできた人もいれば、「とりあえず受験してみた」というような人もいます。減っているのは後者のタイプだと推測されるので、倍率が下がっても難易度はさほど変わっていない可能性もあります。倍率に一喜一憂することなく、自分との闘いに徹することが、合格への近道だと言えるでしょう。