学習指導要領を押さえよう[教採試験の主軸テーマ](2)学習指導要領の変遷を学ぶ

学習指導要領の変遷については、筆記で問われることが少なくない。また変遷を学ぶことは、戦後の教育課題を学ぶことでもあり、教師の素養としても必要である。これまでの学習指導要領の基本方針の変遷を見てみよう。

学習指導要領は、昭和22年に試案として初めて出されている。その後、何回改訂されているのか。昭和33~35年、昭和43~45年、昭和52~53年、平成元年、平成10~11年、平成20~21年の6回であり、今回の平成29~30年の改訂で7回目となる。時代の進展に伴う社会の変化などに対応して、ほぼ10年ごとに改訂されている。

各改訂における基本方針は次の通りである。

▽昭和33~35年

教育課程実施上の諸問題の解決と独立国家の国民としての正しい自覚を持ち、個性豊かな文化の創造と民主的な国家及び社会の建設に努め、国際社会において真に信頼され尊敬されるような日本人を育成するため、道徳教育の徹底、基礎学力の充実、科学技術教育の向上、地理、歴史教育の改善充実を図る。

▽昭和43~45年

前回改訂以後のわが国における国民生活の向上、文化の発展科学技術の革新などに伴う社会の進展、国際的地位の向上などを考慮して、人間形成の上から調和と統一のある教育課程の実現、教育内容の一層の向上とともに指導内容の精選・集約を図る。

▽昭和52~53年

高校教育が著しく普及した現状にどう対応するか、また、学校教育の現状からみて児童生徒の知・徳・体の調和のとれた発達をどのように図るかなどの問題に対応するため、①人間性豊かな児童生徒を育てること②ゆとりのあるしかも充実した学校生活が送れるようにすること③国民として必要とされる基礎的・基本的な内容を重視するとともに、児童生徒の個性や能力に応じた教育が行われるようにする。

▽平成元年

情報化、国際化などの社会の変化とそれに伴う児童生徒の生活や意識の変容に配慮。生涯学習の基盤を担うという観点に立ち、21世紀を目指し、社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成を図ることを基本的な狙いとして、①心豊かな人間の育成②基礎・基本の重視と個性教育の推進③自己教育力の育成④文化と伝統の尊重と国際理解の推進――を重視。

▽平成10~11年

完全学校週5日制の下で、各学校がゆとりの中で特色ある教育を展開し、子供たちに「生きる力」を育むことを基本的な狙いとした。①豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚の育成②自ら学び自ら考える力の育成③ゆとりのある教育を展開し、基礎・基本の確実な定着と個性を生かす教育の充実④各学校が創意工夫を生かした特色ある教育、特色ある学校づくり――を重視。

▽平成20~21年

教育基本法や学校教育法の改正などを踏まえ、「生きる力」を育む学習指導要領の理念を実現するため、その具体的な手立てを確立する観点から改訂。①教育基本法の改正等で明確になった教育理念を踏まえて教育内容を見直し②学力の重要な3つの要素を育成③道徳教育や体育などの充実により、豊かな心や健やかな体を育成④基礎的・基本的な知識・技能の習得の重視⑤思考力・判断力・表現力等の育成の重視――などが基本方針。

このほか、二度一部改正を定めた。

▽平成15年
学習指導要領の狙いの一層の実現(例:学習指導要領に示していない内容を指導できることを明確化、個に応じた指導の例示に小学校の習熟度別指導や小・中学校の補充・発展学習を追加)。
▽平成27年

道徳の「特別の教科」化。「答えが一つではない課題に子供たち子供たちが道徳的に向き合い、考え、議論する」道徳教育への転換。

(教育新聞教採試験担当班)