テーマ
家庭学習の習慣がついていない児童にどのように対応しますか。
○回答
高学年の児童を想定して申し上げます。
まず、その子に応じた指導をします。学習態度や習熟度が高まれば家庭学習への関わり方も改善されると考えます。楽しく活動できる場面構成を工夫して、学校での学習のやる気や理解度を高めるための学習支援に努めます。その上でその子にできそうな課題をさせます。
次に、どのようにするのか方法を決めて下校させ、その結果を見守ります。補充の課題だけでなく、内容についても選択できるようにして、やる気を促します。提出した課題については赤ペンを入れて評価し、発表の機会も持ちます。本人にはやればできることを認めて、励ましながら継続できるようにします。
さらに、その変容を家庭に報告して、励ましの声掛けをお願いします。
[コメント]
これは視点を明確にした回答になっています。発達段階と個に応じた対応を述べています。特に、実態に応じた対応に独自性が見られます。学習習慣が身に付かない原因を家庭だけに押し付けていません。教師自身の授業改善をしながら、その子の意欲や理解を深めようとしています。
×回答
家庭学習をした表を作り、自覚を促すきっかけを作ります。できていないときには、子供に家庭学習をするよう厳しく指導します。また、家庭学習の仕方が分からない子もいます。プリントにして復習ができるようにします。こうすると子供も何をしたらいいのか分かるようになり、学習習慣が身に付くと思います。
[コメント]
これは教師が力で変えようとする例です。家庭学習の習慣化ができていない背景をもっと考えて答えるとよいでしょう。その子の生活習慣、学習態度、学習の到達度などの視点を明確にして、発達段階や個に応じた対応を述べるのです。
○回答にするトレーニングです。まず切り込む視点を決めます。改善策のキーワードをいくつか挙げ、指導できそうなもの2~3個に絞ります。それを答える文章にして書き出します。さらに推敲(すいこう)します。
アドバイザー・塚田亮 元東京都公立学校長