合格を勝ち取る教採対策講座 ウォーミングアップ編(5)筆記試験対策は「過去問分析」から着手

月刊『教員養成セミナー』前編集長 教育ジャーナリスト 佐藤 明彦

「一般選考」で受験する場合、避けて通れないのが筆記試験です。論作文や模擬授業は、自治体によってあったりなかったりしますが、筆記試験は全自治体の1次選考で課されています。一般選考で受験する人は、試験対策の7割くらいを筆記試験対策に費やすものだと考えた方がよいでしょう。

筆記試験対策は、問題集と参考書をベースに進めていくことになりますが、その前に必ずやってほしいのが過去問分析です。これをやらないまま、問題集や参考書に着手すると、多大なロスが生じることになります。

筆記試験は、大きく「一般教養」「教職教養」「専門教養」の3分野に分かれ、いずれも自治体によって出題傾向が異なります。教職教養でいえば、福島県のように教育心理分野から一切出題していない自治体もあれば、神奈川県のように毎年複数問は出題する自治体もあります。さらに細かく見ると、西日本では頻出の人権・同和教育の問題が、東北地方ではほとんど出されないような状況もあります。一方で、市販の問題集や参考書は教職教養の全領域をカバーしているので、一冊丸ごとやれば、出題されない領域の学習に時間を費やしてしまうことになります。

その意味でも、最初に過去問分析を行い、出る領域と出ない領域を確認しおくことが大切です。最低でも過去3年分、可能なら過去5年分の過去問を入手し、領域別の出題数をカウントしてみてください。自治体によっては、問題文と解答がホームページで公開されている場合もあります。

過去問分析は問題の「タイプ」を知る上でも大切です。例えば東京都の教職教養は、正しい、または誤った選択肢を選ぶ「正誤判定問題」が中心ですが、大阪府や神奈川県は空欄に入る言葉を選ぶ「空欄補充問題」が中心です。「正誤判定問題」の場合は用語の暗記だけでなく、内容の深い理解が求められるので、学習の進め方が変わってきます。

過去問分析においてチェックしておきたいのは、文科省の通知、中央教育審議会の答申・報告、自治体の教育振興計画など、「教育時事」分野からの出題があるかです。出題がある場合は、市販の問題集や参考書だけでは十分な対策ができないので、自力で資料を読み解き、ポイントをノートにまとめるなどの対策が必要です。教育分野の専門紙・専門誌などには、資料の要点がまとめられていることも多いので、それらを活用してもよいでしょう。