合格を勝ち取る教採対策講座 ウォーミングアップ編(8)「論文対策」は添削指導で力をつける

月刊『教員養成セミナー』前編集長 教育ジャーナリスト 佐藤 明彦


文章が苦手な人にとって、鬼門となるのが論文試験。毎年度これがネックとなって、合格を取り逃している人も少なくありません。筆記試験のように、対策を重ねた分だけ点数になるとは限らないだけに、悩ましいところです。

対策の基本は、執筆した論文を添削してもらうことです。といっても、誰でもよいわけではなく、校長もしくは教頭(副校長)経験者が適任だと思います。教員採用試験の論文は、学術論文とは違って特有の定石があるだけに、大学の研究者教員では適切な指導を受けられない場合があるからです。

「定石」の一つは、自身が取り組む方策、教職に就く決意などを書く点です。学術論文の場合、客観的な事実やデータを積み重ねた上での考察を書きますが、教員採用試験の論文試験において、そうした文章は好まれません。

「いじめ問題に対する私見を述べよ」という出題に、統計データを基に「根絶は難しい」「国レベルの対策が必要」などと述べたとしても、評論家風情だとして低評価を受けるでしょう。

何より大切なのは、一人の教師としてどう取り組んでいくのか、方策を示し、決意を述べることです。いじめ問題に関する出題なら、予防策や対応策などを具体的に述べた上で、根絶に向けて取り組んでいく姿勢を示します。その際は、「教師になったら、○○していくつもり」などと遠慮がちに書かず、「私は教師として○○に取り組む」と言い切ることが重要です。

もう一つの定石は、「序論」「本論」「結論」の3段構成で書く点です。「序論」で自身の基本的な考えを述べ、「本論」で自身が取り組む方策を述べ、「結論」でまとめと決意を述べる。これが、最も一般的な形式とされています。もちろん、他の形式で書いても構いませんが、3段構成は文章が苦手な人でも書きやすく、採点者にとってもなじみの形式なのでお勧めです。

論文対策は、直前になるまで着手しない人が多いですが、文章に苦手意識がある人は早めに着手しましょう。まずは、受験自治体の過去問をホームページなどから入手し、実際に書いてみてください。最初は、制限時間内に書く難しさを痛感しますが、何度も練習を重ねるうちに書けるようになっていきます。うまく書けない人は、参考書や雑誌などの模範答案を書き写すところから始めてもよいでしょう。何度も書き写すうちに、論文の基本構造や法則性などが見えてきます。