着任前講座 最新が分かる10の学校事情(1)新指導要領の実施時期


月刊『教員養成セミナー』前編集長 教育ジャーナリスト 佐藤 明彦

教採試験を受けた人ならば、学習指導要領が改訂され、「主体的・対話的で深い学び」が盛り込まれたことなどは知っていることでしょう。でも、来春から教壇に立つ身となれば、現職教員の視点からも、新指導要領への理解を深めておきたいところです。

まず押さえておきたいのは、新指導要領の実施スケジュールです。小学校は「2020年度」、中学校は「21年度」、高校は「22年度」と覚えた人も多いと思いますが、それまでは旧課程かと言えば、そうではありません。学習指導要領の実施に際しては、「移行措置」の期間が設けられているからです。

ある年度を境に指導要領がガラリと変われば、現場は少なからず混乱します。そのために設けられているのが「移行措置」の期間で、この間は新指導要領の一部を先取りする形で、教育活動が進められます。ちなみに小学校は18~19年度、中学校は18~20年度、高校は19~21年度が移行期間となっています。つまり、来春から教壇に立つ人は、移行期間中の教育課程に基づき、学習指導を行うことになります。

移行期間中の教育課程とは、どのような内容なのかというと、例えば小・中学校の「総則」や「総合的な学習の時間」「特別活動」は、移行期間中から新指導要領に基づく指導が始まっています。つまり「主体的・対話的で深い学び」も「カリキュラム・マネジメント」も、小・中学校ではすでにスタートしているのです。また、小学校で中学年に前倒しされた「外国語活動」も、年間15時間と少な目ではありますが、すでに始まっています。主要教科も一部では「移行措置」に基づく指導が始まっていて、例えば18年度の小学4年生は、新指導要領の漢字配当表に基づく指導が行われています。

新指導要領の「全面実施」が20年度以降となっているのは、教科書の編集・検定・採択の期間が必要なためであり、小・中学校ではすでに、教育課程が刷新されたと言っても過言ではありません。着任後1~2年間は猶予があると勘違いしている人がいたら、認識を新たにしておく必要があります。

なお、高校の新指導要領は、22年度から「年次進行」で実施される予定です。「年次進行」とは「入学者から順に」という意味で、22年度の高校1年生から、新指導要領に基づく授業がスタートすることになります。小・中学校と高校とでは、状況が異なっていますので覚えておいてください。