神谷正孝の5分でわかる教育時事2017-2018(2)新学習指導要領を攻略する(1)

eye-catch_1024-768_kamiya2017kei塾主任講師 神谷正孝

前文と総則を理解する

皆さんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。最終合格発表も終了し、当方にも喜びの声が多く寄せられています。

さて、第2回目の今回は、採用試験における教育時事の最重要テーマである「学習指導要領改訂」について確認します。実は、これまでの連載でも取り扱ってきました。電子版の方はバックナンバーもご参照ください。

◆学習指導要領に関するテーマの出題形式

筆記試験においては、本文の空所補充や内容正誤の問題が多く出題されています。マークシートの自治体では、内容正誤に関わる択一式問題や、空欄に当てはまるキーワードの組み合わせを選ばせる問題も出題されています。また、自治体によっては選択肢がない場合もあります。いずれにせよ、「知っていれば確実に解ける」レベルの問題なので、備えておきましょう。

◆新学習指導要領「前文」

今回から、法規的な性質が強まり、本文の前に「前文」が付されています。従来も関係法令が示されていましたが、今回は「前文」の中で、教育基本法の第2条に規定する「教育の目標」が記載されています。第3号で規定する「公共の精神」や第4号の「生命」「自然」「環境」、第5号の「伝統」「国と郷土を愛する心」などが重要な語句です。

続いて「前文」には、「必要な学習内容」や「資質・能力」について教育課程で明確にすることや、「社会に開かれた教育課程」の実現について示しています。別掲する「社会に開かれた教育課程」については、定義を押さえておきましょう。その上で、学習指導要領を「教育水準を全国的に確保する」ものと位置付け、「児童生徒の学習の在り方を展望していくために広く活用される」ことを期待するとしています。こうした理念的な部分は、問題を作りやすいので筆記試験では要注意です。

◆新学習指導要領「総則」

総則は六つのブロックに分かれていますが、筆記試験で重要なのは、1~4、6です。内容的には前回改訂の指導要領から受け継がれたことも多く、全体として記述が整理された印象です。前回改訂の指導要領でも重要視されたキーワードはそのまま、新指導要領でも重要です。別掲する内容をしっかり整理しておきましょう。

総則の「1 学校教育の基本と役割」に関する項目では、項目3で示される「資質能力の3つの柱」および4で示される「カリキュラム・マネジメント」が共に重要語句です。「資質能力の3つの柱」として示された「知識・技能の習得」「思考力・判断力・表現力等の育成」「学びに向かう力・人間性等の涵養」は暗記項目です。加えて、「カリキュラム・マネジメント」の理念と意義(教育課程を管理し効果を最適化し、その編成をPDCAサイクルに位置付ける)が押さえるべきポイントです。カタカナ語は、内容を理解して用いないと面接などで突っ込まれたときに大変です。辞書的な意味だけでなく、自分の言葉で説明できるようにしておくことが大切です。
次回は「総則」の続きを取り上げたいと思います。

(この項続く)

【例題】

1 カリキュラム・マネジメントについての説明として適切でないものを選びなさい。

 

1.カリキュラム・マネジメントで重要なことは、学校の教育課程をPDCAサイクルに位置付けることである。

2.カリキュラム・マネジメントのもとでは、前年踏襲の教育課程編成を改めることが求められる。

3.カリキュラム・マネジメントは、主に管理職や教務主任が担う、学校の教育活動全体にかかわるもので、教諭は特に意識する必要はない。

4.カリキュラム・マネジメントに当たっては、「社会に開かれた教育課程」の編成について意識することも重要である。

 

解答3 解説 直接的なマネジメントを行う管理職やその実務を担う教務主任はもとより、教育課程に携わるすべての教員がカリキュラム・マネジメントの理念を理解し、意識して取り組むことは重要である。

 

2 学習指導要領総則で示された「小学校教育の基本と教育課程の役割」の内容として適切なものを選びなさい。

 

1.児童の体験活動など,学習の基盤をつくる活動を充実することが示された。

2.道徳教育や言語活動,多様な知識技能を身に着ける活動等を通して,豊かな心や創造性の涵養を目指した教育の充実に努めることが示された。

3.道徳教育の目標として、自己の生き方を考え,主体的な判断の下に行動し,自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる豊かな心を養うことが示された。

4.学校における体育・健康に関する指導を,児童の発達の段階を考慮して,学校の教育活動全体を通じて適切に行うことや家庭や地域と連携することが示された。

 

解答4 解説 1:「体験活動」ではなく「言語活動」である。今回改訂で、言語活動が学習の基盤を作る活動として例示。2:「言語活動」ではなく、「体験活動」である。また、「多様な知識技能を身に着ける活動」ではなく、「多様な表現や鑑賞の活動」である。3:目標として示されたのは「豊かな心」ではなく「道徳性」である。