着任前講座 最新が分かる10の学校事情(3) 教員の「研修」


月刊『教員養成セミナー』前編集長 教育ジャーナリスト 佐藤 明彦


教員という職業の特徴は、とにかく研修が多いことです。教育基本法と教育公務員特例法には「絶えず」「研究と修養」に努めねばならないと書かれています。こうした規定が法律に示されている職業は教員くらいでしょう。

研修が努力義務化されている理由は、教員に必要な職業的技能が時代とともに変化していくからです。社会に目を向ければAIの進化・普及、生産労働人口の減少、多国籍化などが進んでいます。こうした変化を受けて、学校では「主体的・対話的で深い学び」が始まり、ICT機器の活用が広がっています。そうした中、10年先、20年先に活躍できる人材を育てるために、教員は学び続けることで、その技能を更新していかねばならないのです。

教員の研修は、実施主体によって大きく四つに分けることができます。一つ目は、国によって定められている法定研修です。任用1年目の「初任者研修」や10年目前後の「中堅教諭等資質向上研修」などが挙げられます。これらは、法律に定められた研修なので、どの自治体、どの学校に着任しても、原則として受けなければなりません。

二つ目は、教育委員会が主催する研修です。都道府県や区市町村の教育センター等が、学習指導、生徒指導、ICT、英語、特別支援教育など、さまざまなテーマの研修を開催しています。希望制の研修もあれば、特定の職層・キャリア・教科の人には参加が義務付けられた研修もあります。

三つ目は、学校ごとに行われる校内研修です。形態は幾つかありますが、最もオーソドックスなのは1人の先生の授業を全教員で見学し、授業後に改善点などを話し合うものです。若手教員も授業者に指名される可能性があるので、心しておく必要があります。

四つ目は、それ以外の大学や民間、有志等で開催されている研修です。教科やテーマごとに、さまざまな研究会や勉強会が地域で開催されており、熱心な教員が参加しています。

教員採用試験で「職務専念義務」について学んだと思いますが、参加したい研修がある場合、授業などに支障のない限りは、職場を離れて参加することができます。いわゆる「職専免研修」です。ただし前もって校長に申請し、研修の内容が日々の職務や資質向上に関連するものと認められる必要があります。「スーパーティーチャー」になりたい人は、こうした研修に積極的に参加し、技能を磨き続けてください。

「着任前講座 最新が分かる10の学校事情」の記事をもっと読む

特集