集団討論を練習しよう 教員としての資質を示す

準備は早めにスタート

教採試験において、面接試験に重点を置いている自治体は少なくない。学生志望者などは、あまり面接の経験がないので心配する向きも多いだろう。特に集団面接、集団討論は試験でなければほとんど体験することがない。本番でできるだけ緊張しないように、練習にはできるだけ早く取り組み、慣れたほうが良い。集団の面接・討論について練習法、対策などを考えてみよう。


○集団面接・討論の実施方法

教採試験において、面接は全ての自治体で行われている。個人面接、集団面接、集団討論、模擬授業、場面指導などがある。1~2次試験でこれらを組み合わせて行っているケースが多い。中でも点数の配分が高いとされるのが、集団討論だ。集団で行われる面接として、集団面接と集団討論の違いを確認しておこう。

一般的な実施形態は次の通りである。

▽集団面接=5~7人の受験生に2~3人の面接官が対応。時間は、20~40分程度が多い。面接官が質問し、受験生が1人ずつ、並んでいる順番に、もしくは指名順に答える。基本的に個人面接と大きな違いはない。ただし、時間が個人面接より長い場合が多いので、その分長く観察されているということを頭に入れておこう。緊張感は個人より少ないが、他の受験者との比較もされている。

▽集団討論=5~10人の受験生が、車座あるいはアーチ状に着席する。面接官は2~5人が対応。時間は20~60分程度。冒頭に自己紹介があり、その後、討論のテーマが発表される。5~10分程度自分の考えをまとめる時間が与えられてから、討論がスタートする。討論の司会進行は、面接官が務める場合と受験生に任せる場合とがある。自由に討論させるケースもあれば、集団面接に続いて討論をさせるケースもある。

○三つのスタイルで討論される

討論のスタイルは、主に3分類できる。

▽討論スタイル=「部活動の上限設定について」「土曜日授業の実施について」「習熟度別指導の導入について」などのテーマにつき是非を問うもの。自分の意見を主張していく。
▽協議スタイル=「子供たちの学習意欲の低下が問題となっているが、学習意欲を向上させるためにどのようなことを行うか」「子供たちがグローバル社会で生きていくために、どのような取り組みを行うことが大切だと思うか」などのテーマにつき、解決策、対策などを話し合う。

▽座談会スタイル=「校種間連携について」「ワークライフバランスの促進について」「SDGsの推進について」などのテーマにつき、自由に意見を述べ合う。

集団討論は、とても厄介な試験である。一つの課題について、まず各自で課題の構造をしっかり把握し分析することが短い時間で求められる。それぞれの意見、経験、知識などを出し合い、討論の中で課題の焦点化、課題の深化、課題解決の対策、解決策のまとめ、次の課題への転換、収束への転換へと論を進めていかなくてはならない。知的共同作業といえる。

面接官はこの過程を通し、一人一人を比較し評価していくのである。

こうした中では自分の意見を主張し、他の受験者より「目立つ」必要がある。そのためには、事前の入念な練習が必須となる。

集団討論の練習の仕方を別表の通り。受験者と協力して、できるだけ早くから練習を始めて討論に慣れておこう。

○グループ練習の留意点は

練習の際にぜひ意識して取り組んでもらいたいことは、次の3点。

▽「最初のひと声を発する」=討論開始の皮切りである。「では、討論を始めてください」といわれると、通常、一瞬間があく。他の出方をうかがう、という雰囲気もある。だからこそ、あえて第一声を発するように心掛けて練習しよう。一度発言してしまえば、その後もスムーズに発言できるし、積極性は評価される。普段、消極的な人は心掛けておく。

▽「他人の意見を聞く」=人の意見を聞かずに、自分の意見を主張するばかりでは、マイナス評価だ。自分と意見が違ったり、反論されたりしたからといって感情的に攻撃するのも極めて印象が良くない。特に反論するときは、「○○と考えますが、いかがでしょうか」などソフトな質問形に変えるなどの工夫がほしい。

▽「目立ち方を工夫する」=目立たなくてはいけないのは確かであるが、目立ち方を考えなくてはならない。「他の発言を中断させて発言する」「話の流れを強引に自分の趣意に導こうとする」「話を強引にまとめる」といった目立ち方は避けたい。「テーマの本筋から討論が外れそうになったとき、さりげなく修正する発言をする」「討論に積極的に参加しながら、要所要所でまとめていく」などが好ましい。

上記のような対応は、すぐにはできないだろう。だから、早くから練習することが必要なのだ。他の受験生を意見で負かそうとするよりも、このグループの受験生全員で討論を成功させて、全員で合格しようという気持ちが討論では必要になる。

教員に採用後、十分にその職責を果たせるかどうか、討論という社会的場面における言動を通して、その資質を判断することがこの試験の狙いである。判断力、協調性、表現力など教員として欠かすことのできない素養がチェックされるので、いまから準備しておくことが望まれる。

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