着任前講座 最新が分かる10の学校事情(5)携帯・スマホと情報モラル教育


月刊『教員養成セミナー』前編集長 教育ジャーナリスト 佐藤 明彦

日本に携帯電話が普及し始めたのは1990年代後半。教員志望の皆さんの多くは物心がついた頃から、周囲に携帯電話が存在していたことでしょう。現在はスマホが普及し、電話からメール、情報収集、音楽・動画の視聴に至るまで、あらゆるタスクをこれ1台でこなしている人も多いと思います。

生活のツールとしてはとにかく便利な携帯・スマホですが、学校への持ち込みは制限されています。09年に文科省が「学校における携帯電話の取扱い等について」と題した通知を出しており、小・中学校では原則として持ち込み禁止とすること、高校では使用を制限することなどが、方針として示されました。もう10年近くも前の通知ですが、現在もこの方針を基準として、多くの学校・教委がルールを定めています。高校では、授業中のみ使用不可とし、休み時間などは使用可としている学校も多いようです。

内閣府が実施する「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、17年における携帯電話・スマホの所有率は、小学生が55.5%、中学生が66.7%、高校生が97.1%となっています。伸びが著しいのは小学生で、過去5年間で倍以上に増加しました。携帯電話からスマホへのシフトも進んでおり、SNSや動画サイトなどを楽しむ児童も多いようです。

子供がスマホを利用するようになった影響は、さまざまな形で学校教育にも及んでいます。例えば、教師からは見えないやりとりがネット上で行われ、時にそれがトラブルと化しているケースも少なくありません。そのため、教員は子供同士の関係性を把握するのが難しくなってきています。

また、ネットワークゲームや動画サイトに夢中になり、半ば中毒化して、健康上の問題が生じているような子供もいます。ゲームでの高額課金、不当請求、個人情報漏えいなど古くからある被害も、いまだ少なくありません。

こうしたトラブルなどは、学校以外の場所で起きていることゆえ、本来なら「家庭の責任」と突き放したいところです。とはいえ日々の学級経営に支障を来しかねない状況下では、学校としても看過するわけにはいきません。そのため多くの学校が情報モラル教育に取り組み、ICT機器を使用する際の注意点やマナーを教えています。文科省からも指導資料などが公表されているので、目を通すなどしてイメージを膨らませてみてください。