押さえたい教育時事 その1 「第3期教育振興基本計画」

「2030年以降」の社会に向けて

教育振興基本計画については、論文、面接などで問われる確率が高いので、的確に押さえたい。

第3期教育振興基本計画は、2018年3月の中教審答申「第3期教育振興基本計画について」を踏まえ策定、6月15日に閣議決定された。「2030年以降」の社会を見据え、日本の社会を維持・発展させる教育の役割と重要性を強調している。

〇教育の目指すべき姿と五つの基本的な方針

教育振興基本計画は、06年に改正された教育基本法に基づき、5年ごとに定められる。第1期計画(08~12年度)、第2期(13~17年度)に続く第3期は、18~22年度の5年間における教育施策を網羅。第1期および第2期において、計画に盛り込まれた施策は着実に実行され、学力向上や経済格差への対応については成果が見られる。

第3期では、30年以降の社会像の展望を踏まえた個人と社会の目指すべき姿を次の3点で示した。

▽個人=自立した人間として、主体的に判断し、多様な人々と協働しながら新たな価値を創造する人材を育成

▽社会=一人一人が活躍し、豊かで安心して暮らせる社会の実現

▽社会(地域・国・世界)の持続的な成長・発展

教育政策の重点事項として「超スマート社会(Society5.0)の実現」「生涯にわたる一人一人の『可能性』 と『チャンス』の最大化」を中心に据え、以下の五つの基本的な方針を掲げた。

(1)夢と志を持ち、可能性に挑戦するために必要となる力を育成する

(2)社会の持続的な発展を牽引するための多様な力を育成する

(3)生涯学び、活躍できる環境を整える

(4)誰もが社会の担い手となるための学びのセーフティネットを構築する

(5)教育政策推進のための基盤を整備する

〇エビデンスを重視した教育政策で国民に理解

現代のように高度化した社会における教育は、組織的、体系的な推進が望ましいとした。

基本的な方針ごとに①教育政策の目標②目標の進捗状況を把握するための測定指標および参考指標③目標を実現するために必要となる施策群――を設け、客観的な根拠(エビデンス)を重視した教育政策を推進。教育政策におけるPDCAを確立し、十分機能させることと合わせて、国民の教育投資への理解を求めていく。

国の教育振興基本計画は、各自治体で策定する地域レベルの上位に位置する。自治体や学校が常に参考にするもの。受験する自治体の教育振興計画は自治体のサイトに掲載されているので、ぜひ見ておきたい。具体的に自治体ではどのような取り組みをしているかもチェックしておくとよいだろう。

「教育の目指すべき姿」や「基本方針」などに含まれるキーワードをチェックしよう。「新たな価値の創造」「学びのセーフティネット」「持続的な成長・発展」「Society5.0」「人生100年時代」などに着目する。それとともに、提示されている枠組みを頭に入れておく。学校現場ではどのような意識、取り組みが必要か、考えておこう。