押さえたい教育時事 その3 不登校・暴力行為の動向

児童生徒の教育機会の確保へ
■高水準が続く不登校児童生徒数

不登校とは、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくてもできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」をいう。

2017年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(18年10月発表)の結果が公表され、各メディアで「いじめ最多41万件超」などと報道された。

調査結果の主な特徴は次の通り。概要を押さえておこう。

▽小中高校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数=41万4378件(前年度32万3143件)。前年度より9万1235件増加。児童生徒1千人当たりの認知件数は30.9件(同23.8件)。

▽小中の長期欠席者数=21万7040人(前年度20万6293人)。不登校児童生徒数は14万4031人(同13万3683人)。在籍者数に占める割合は1.5%(同1.3%)。

▽小中高における暴力行為の発生件数=6万3325件(前年度5万9444件)。児童生徒1千人当たりの発生件数は4.8件(同4.4件)。

「17年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(18年10月公表)、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針」(17年3月決定)を、文科省サイトで確認しておきたい。

ここでは、主に不登校と暴力行為に焦点を当てる。

神田外語大学・嶋﨑政男客員教授の考察から不登校を歴史的に見てみよう。「平準期」(1978年度まで)、「増加期」(87年度まで)、「急増期」(99年度まで)、「高原期」(今日まで)などとされている。

2017年度の統計では、小学生3万5032人、中学生10万8999人と過去最高。小中学生ともここ4~5年の増加が顕著で、深刻な状況と言える。こうした現状から「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(16年12月公布)が制定され、取り組みの強化が求められた。これに沿った文科省通知および基本指針(前出)では、「『学校に登校する』という結果のみを目標としない」の考え方も示された。

教員には、「児童生徒からのSOSを見逃していないか」「児童生徒理解の在り方をしっかり行っているか(本人とのつながり、寄り添いはあるか)」「生徒指導の機能や教育相談の技法を理解しているか」「『心の問題』だけではなく『進路の問題』として捉え、対応しているか」が求められる。

■暴力行為の低年齢化に危機意識を

暴力行為の発生件数は小学校2万8315件(前年度2万2841件)、中学校2万8702件(同3万148件)、高校6308件(同6455件)。加害児童生徒数は、小学校で2万3440人(前年度1万9750人)、中学校で2万9189人(同3万490人)、高校で7399人(同7657人)。

中高が横ばいなのに、小学校はここ数年急増。加害者数は前年比18.7%増で、特に1年生は37.0%増、3年生は31.5%増と憂慮すべき事態となっている。低年齢化の原因究明と対策を早急に進める必要がある。

各項目の調査結果については、都道府県別にも示されている。試験対策に、志望する自治体の傾向をぜひ押さえておきたい。