読んでもらう文章を書くために 結論を先に述べよう

採点官に強い印象を残す

採点官に読んでもらう文章を――。文章は誰かに読んでもらうために書くものである。教員採用試験の論作文であれば、採点官が必ずいて、採点官に読んでもらうために書く。示された課題について非常にいい見識を持っていても、教職に強い情熱を持っていても、稚拙な文章ではそれが伝わらない。読んでもらうためのポイントをいくつか示す。


■「結起承」でロジカルに

読んでもらいやすい文章術の第一は、「結論から書く」ことである。学校で習う作文技法では「起承転結」で書くことを教わるが、実務文書や説明文、また試験の論作文は「結論から書く」が求められる。これで文章がロジカルになる。

文章の趣旨がすぐ分かるようまず結論(結)を書く。続いて課題、主題を分かりやすく説明し(起)、最後に結論に対する理由や自分の意見などを書く(承)。「転」は、試験における短作文ではあまり重要ではないので省いてもよい。

先に結論(言いたいこと)を書いて、それからその理由などを書いていく。「結」→「起」→「承」の流れで書いていく、というわけである。

この方がロジカルであり、文書で何を伝えようとしているのかが、すぐによく分かる。

採点官は、非常に多くの論作文に目を通さなくてはならないので、最初の数行で強い印象を与えたい。文章をずっと読んでいって最後に結論が分かるのでは、なかなか心に残らないだろう。最初に結論を示して、最初に採点官の目を引いてから、全体の文章を読ませるようにしたい。

■短い文章をテンポよく

論文を構成する一つ一つの文章は、「短く書く」が次のポイント。加えて「1文に1内容(トピック)で書く」が重要だ。

読んでもらう文章の基本は短文である。日本語は単語や語句をつなげていくと文章が出来上がっていくので、いい文章を書こうとすると長くなってしまう傾向がある。読んでもらうには、短い文章をテンポよく続けることが大事だ。この方が、メッセージや内容がよく伝わる。

1文が50字を超えたら長いと考えてよい。できるだけ文章を区切っていくとよいだろう。40字程度に収めると分かりやすい。

そのためには、1文には一つの内容、一つのトピックで収めるようにしたい。内容がいくつかにわたるときは、別の文を起こした方がよい。区切る目安は、一つの内容、一つのトピックである。また、一つの文章には、主語一つ、述語一つが原則である。長くなってしまうときは、文章を半分にして、主語と述語の関係が分かりやすい単文にする。

■修飾語の多用は控える

よい文章に見せようとするあまり修飾語を多用するのも避けよう。修飾語の多用は逆効果。修飾語は本来感覚的なもので、多用すると中身を誤解されることもある。さらに、二つの意味に捉えられる文章にも注意しよう。

読んでもらえる文章のためには、「5W2H」と「箇条書き」が重要。これは、ビジネスマナーにおいて常に確認すべき事柄とも言われている。「when(いつ)」「who(だれが、だれに)」「where(どこで)」「what(なにを)」「why(なぜ)」「how(どのように)」「how much(いくらで)=how many(いくつ)」と、箇条書きの活用は、情報を正確に伝達するという点で非常に有効である。

■文章記号を的確に用いて

文章の基本として、文書記号の的確な使用も読んでもらう文章につながる重要なポイントだ。句点、読点、中黒、カンマ、ピリオド、かぎかっこ、クエスチョンマーク、クォーテーションマーク(引用符)、ハイフン、下線などはしっかりと用法を押さえて使いたい。代表的なものを別表にしておいたので、これも参照してもらいたい。

■練習を積み重ねよう

最も大切なポイントは、書くことである。練習である。ポイントを覚えても、実際に使わなくては意味がない。読んでもらえる文章が書けるように、日々書く練習を重ねよう。練習を積めば、書き慣れるようになり、読んでもらえる文章が書けるようになる。

加えて文章を書いたら、「しつこく通読」が大事だ。しつこく読み返し、練習を積み重ねよう。書いたものは教員志望者の仲間や大学の教官、先輩の教員に読んでもらい、気付いた点をどんどん指摘してもらうとよいだろう。