面接の○回答×回答 (142)児童生徒の不利益を未然に防ぐ

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児童・生徒が事件に巻き込まれる事案が目立つ中、「危機管理」という文言がよく出てきます。その意味についてあなたの考えを教えてください。

○回答

危機管理とは、自然災害、人為的事故などに対して一定の指揮命令系統の下に対処することだと考えます。

以前は「危機管理」とは言わず「登下校時の安全対策」「校外学習での安全指導」「地震や台風などの自然災害時における安全指導」「火災時避難訓練」などの文言で、児童生徒の安全と学習環境の保障をしていたと聞いています。

かつて学校は、保護者・地域の方々から信頼、尊敬される存在であり、若手で経験の浅い教師を保護者が温かく見守り育ててくれたようです。その後、児童生徒を取り巻く環境が変化し、学校と保護者との関係をも変えました。

学校の危機とは児童生徒が危うい状況に置かれる事態であり、教員の力量不足や服務規律違反、施設・設備の管理不徹底などを要因として事故が発生し、児童生徒に不利益を及ぼすことです。それを未然に防ぐことが危機管理だと考えます。

[コメント]

「危機管理」の意味を的確に捉えています。危機管理という文言は元々行政で使われていたものです。学校で使われるようになったのは社会の変化によるものです。人の情、和が重んじられ、受容、協調の心が大事にされた文化から、自己主張、権利追求、それらの確保のために提訴する時代になりました。学校教育の目的、児童生徒のために何をなすべきかが述べられています。

×回答

児童生徒の事故報道をよく目にします。中には痛ましい重大な人身事故もあります。教育の場である学校はどこよりも安心安全であるべきです。「安心なくして教育なし」と言われるゆえんです。

学校における児童などの安全が脅かされるのが危機であり、それを未然に防ぐことが危機管理であると考えます。そのために大事なことは、学校の施設・設備の徹底した安全管理による事故防止です。

日常の安全点検は、不可欠です。教員は常にそのための注意義務を怠らないことが肝要で、かつ児童生徒の生命を預かっているという強い責任感、加えて危機対応力を高める不断の努力が求められます。

学校は、常に事故やけがと隣り合わせです。ゆえに教職員の危機対応力が大事なのです。

[コメント]

「危機」について児童生徒の安全に焦点を当て、主に施設整備の安全管理について述べています。危機管理についての考えも妥当でしょう。教員としての心構え、危機対応能力にも触れており、ほぼポイントは押さえています。

ただ、施設・設備の管理に終始している感があります。危機管理には、登校から下校まで多岐にわたる対応と安心・安全が求められています。このことを分かりやすく述べていたらよかったでしょう。

アドバイザー・宮澤義一 元東京都公立学校長