神谷正孝の5分でわかる教育時事2018~2019(6)地域との連携・協働

kei塾主任講師 神谷 正孝

皆さん、こんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。早いものでもう3月。早いところでは募集要項が発表される時期になりました。仕上げを急ぎましょう。

さて、第6回の今回は「地域との連携・協働」がテーマです。学校と地域の関係の在り方や連携・協働について、確認しておきましょう。

1989年版の学習指導要領において、総則の中に「開かれた学校づくり」が位置付けられ、学校と地域との連携が盛んに行われるようになりました。地域の文化財や自然環境、地域人材などが教育資源として、「総合的な学習の時間」をはじめとする学校の教育活動の中で、さまざまな形で活用されています。

また、学校教育法・同施行規則で「学校評価」が示され、さらに「保護者及び地域住民その他の関係者の理解を深めるとともに、これらの者との連携及び協力の推進に資するため、当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況に関する情報を積極的に提供する」(学校教育法43条)ことが規定されました。学校評価の結果も含めた情報提供が求められています。

新学習指導要領においても、「社会に開かれた教育課程」の実現が求められており、地域と連携・協働した学習活動は、今後ますます盛んになっていくでしょう。
このような動きと併せて、地域のニーズを生かした学校運営や、地域の強みを生かした教育活動が重要視されてきました。コミュニティ・スクール化の推進や、「地域学校協働活動」など新しい動きが加速しています。

「次世代の学校・地域創生」プランでは、学校を中心として地域コミュニティーを活性化することを目指しています。

■コミュニティ・スクール

コミュニティ・スクールとは、地域のニーズを生かした学校運営のための仕組みで、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(以下「地教行法」)で規定されました。

その後、中教審「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について(答申)」(2015年12月)では、全ての学校の「コミュニティ・スクール化」の推進を示し、それを受けた地教行法の改正(2017年)により、学校運営協議会の設置は教育委員会の努力義務となりました。

学校運営協議会を設置した学校を「コミュニティ・スクール」「地域運営学校」と称することができます。教育委員会が指定した学校に「学校運営協議会」を設置し、その委員を特別職の地方公務員として教育委員会が任命、委員の合議によって学校運営をします。「学校評議員」よりも大きな権限が与えられており、その責任の重さも「学校評議員」の比ではありません。

学校運営協議会の委員の権限には、▽校長が作成する教育課程を含む学校運営の基本方針について承認すること▽校長・管理機関である教育委員会への学校運営に関する意見具申▽教職員の任用について任命権者への意見具申――などがあります。任命権者はその意見を尊重することが求められます(特定の教員の人事異動などについての意見表明ではありません)。

47都道府県の中で、最もコミュニティ・スクールの取り組みが推進されているのは山口県です。地域によって設置状況が異なるため、受験先の状況について調べておくようにしましょう。

■地域学校協働活動

地域学校協働活動とは、地域の高齢者、成人、学生、保護者、PTA、NPO、民間企業、団体・機関などの幅広い地域住民等の参画を得て、地域全体で子供たちの学びや成長を支え、「学校を核とした地域づくり」を目指して、地域と学校がパートナーとして連携・協働するさまざまな活動です。

従来の地域の学校支援の取り組みとの違いを、「地域による学校の「支援」から、地域と学校のパートナーシップに基づく双方向の「連携・協働」へと発展させていくこと」こととしています。地域と学校がパートナーとして連携・協働し、地域の将来を担う人材の育成を図るとともに、地域住民のつながりを深め、自立した地域社会の基盤の構築・活性化を図る「学校を核とした地域づくり」を推進し、地域の創生につなげることを目指しています。

【例題】
例題1 次の記述は,「学校評価ガイドライン〔平成22年改訂〕」(文部科学省 平成22年7月)に示された学校評価の三つの目的である。空欄に当てはまるものの組み合わせとして適切なものは,下の1~5のうちのどれか。
① 各学校が,( ア )について,目指すべき目標を設定し,その達成状況や達成に向けた取組の適切さ等について評価することにより,学校として組織的・継続的な改善を図ること。
② 各学校が( イ )の実施とその結果の公表・説明により,適切に説明責任を果たすとともに,保護者,地城住民等から理解と参画を得て,学校・家庭・地域の連携協力による学校づくりを進めること。
③ 各学校の設置者等が,学校評価の結果に応じて,学校に対する支援や条件整備等の改善措置を講じることにより,( ウ )。

1 ア 自らの教育活動その他の学校運営

イ 自己評価及び保護者など学校関係者等による評価

ウ 一定水準の教育の質を保証し,その向上を図ること

2 ア 自らの教育活動

イ 自己評価及び保護者など学校関係者等による評価

ウ その教育水準の向上に努めること

3 ア 自らの教育活動その他の学校運営

イ 自己評価及び保護者など学校関係者等による評価

ウ その教育水準の向上に努めること

4 ア 自らの教育活動

イ 自己評価や,保護者など学校関係者等による評価及び第三者評価

ウ 一定水準の教育の質を保証し,その向上を図ること

5 ア 自らの教育活動その他の学校運営

イ 自己評価や,保護者など学校関係者等による評価及び第三者評価

ウ その教育水準の向上に努めること

解答 1
解説:学校評価ガイドラインからの出題。この項目は頻出なのでしっかりと確認しておこう。
例題2 次の文の空欄に当てはまる語句を書きなさい。

社会総掛かりでの教育の実現を図る上で,学校は,地域社会の中でその役割を果たし,地域と共に発展していくことが重要であり,とりわけ,これからの公立学校は,「開かれた学校」から更に一歩踏み出し,地域でどのような子供たちを育てるのか,何を実現していくのかという目標やビジョンを地域住民等と共有し,地域と一体となって子供たちを育む「(  ア  )」へと転換していくことを目指して,取組を推進していくことが必要である。すなわち,学校運営に地域住民や保護者等が参画することを通じて,学校・家庭・地域の関係者が目標や課題を共有し,学校の教育方針の決定や教育活動の実践に,地域のニーズを的確かつ機動的に反映させるとともに,地域ならではの創意や工夫を生かした特色ある学校づくりを進めていくことが求められる。

これまでの提言では,地域とともにある学校の運営に備えるべき機能として「( イ )」「協働」「( ウ )」の三つが挙げられており,これらはこれからの学校運営に欠かせない機能として,再認識していく必要がある。

①関係者が皆当事者意識を持ち,子供たちがどのような課題を抱えているのかという実態を共有するとともに,地域でどのような子供たちを育てていくのか,何を実現していくのかという目標・ビジョンを共有するために「( イ )(熟慮と議論)」を重ねること。
②学校と地域の信頼関係の基礎を構築した上で,学校運営に地域の人々が「( エ )」し,共有した目標に向かって共に「協働」して活動していくこと。
③その中核となる学校は,校長の( オ )の下,教職員全体がチームとして力を発揮できるよう,組織としての「( ウ )」力を強化すること。
解答

ア:地域とともにある学校  イ:熟議  ウ:マネジメント  エ:参画  オ:リーダーシップ

解説:中央教育審議会答申「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について」より抜粋。「熟議」「協働」「マネジメント」の三つのキーワードは押さえておこう。