押さえたい教育時事 その5 特別支援教育

共生社会形成に向け活発な動き

子供一人一人のニーズに応じた教育

特別支援教育の概念は、2007年4月の文科省通知「特別支援教育の推進について」で、「障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行うものである」とされている。

共生社会形成に向けたもので、「自立・社会参加を支援」「教育的ニーズに応じた指導と支援」「発達障害も対象、全ての学校で実施」などが要点である。

07年の学校教育法一部改正により、特殊教育から特別支援教育に転換。その後、多様な法改正、施策の実施があり、近年は最も動きの多い分野と言ってよいだろう。学習指導要領の改訂も実施されている。

以下が近年の主な流れである。

▽2011「障害者基本法一部改正」(交流及び共同学習を推進)

▽2012「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」(中教審初中教育分科会報告)

▽2013「学校教育法施行令一部改正」(認定特別支援学校就学者―就学先決定の仕組み変更)

▽2013「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」公布→2016施行(行政機関等に「合理的配慮」の提供義務、不当な差別的取り扱いの禁止)

▽2014「障害者の権利に関する条約」批准・発効(インクルーシブ教育システムの構築・合理的配慮の提供)

▽2015「文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針の策定について」通知

▽2017「発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対する教育支援体制整備ガイドライン」

特別支援学校の新しい幼稚部教育要領と小学部、中学部学習指導要領は2017年4月に公示。

「障害のある子供一人一人のニーズに応じた教育の充実」を目指し、総則に児童生徒が豊かな創造性を備え、持続可能な社会の創り手となるための生きる力の育成などが示された。

高等部学習指導要領については19年2月に公示。卒業後の自立と社会参加に向けた内容の充実を図っている。

インクルーシブ教育は「ともに学ぶ仕組み」

2014年度からの就学先の決定方法の変更については、障害のある児童生徒も普通学校で対応することを基本に、特別支援学校に就学する児童生徒を「認定特別支援学校就学者」とする制度に変更している。制度の要点、背景を押さえておきたい。

また、「インクルーシブ教育システム」とは、障害のある児童生徒が十分な教育を受けられるようにする仕組みであり、障害を持たない児童生徒と共に学ぶ仕組みである。

障害のある児童生徒が自己の生活地域において、初中教育を受けることが基本路線となっている。