試験方法の的確な把握を 面接、実技、小論文などの傾向は

文科省の19年度採用試験調査

文科省はこのほど、2019年度公立学校教員採用選考試験(18年夏実施)の実施方法に関する調査概要をまとめた。各自治体の試験において実技、面接、作文・小論文などがどのように行われているか調査したもの。受験する自治体の試験方法は早めに把握して、準備を怠らず、適切に対応することが望まれる。

68県市の試験を把握

調査は、模擬授業・場面指導の実施状況、特定の資格や経歴を持つ者を対象とした特別の選考、採用選考の透明性の確保や不正防止の取り組みなどの実施方法について調べたもの。

各都道府県(47)・指定都市(20)・大阪府豊能地区教委(以下「県市」という)の全68県市を対象としている。

1次は7月、2次は8月に集中

教採の1~3次試験の実施時期は、次の通り。

▽1次試験

6月=13県市
7月=54県市
8月=0県市
9月=1県市

▽2次試験

7月=2県市
8月=55県市
9月=8県市

▽3次試験

8月=1県市
9月=2県市

1次試験は7月に、2次試験は8月に集中している。1次の6月実施は17年度が2県市、18年度が3県市だったので、かなり前倒しされる傾向にあることが分かる。

採用内定の時期(複数回答あり)は、次の通り。

▽採用内定

9月=13県市
10月=47県市
11月=2県市
12月=4県市
1月=1県市
2月=3県市
3月=2県市
小の実技で外国語

実技試験の実施状況は、次の通り。

▽小学校=55県市で実技試験を実施。

音楽=42県市
図工=3県市
体育=52県市
外国語=26県市

▽中・高校=中学校は全68県市、高校は56県市で実技試験を実施。

音楽=中68県市、高42県市
美術=中66県市、高37県市
保健体育=中68県市、高53県市
英語=中68県市、高56県市
個人面接は全県市で実施

面接試験は重視される傾向が続いている。19年度においても全68県市で実施。

個人面接は全68県市、集団面接は47県市で実施。個人・集団両方を実施は47県市。
校種別にみると、次の通り。

小学校=個人68県市、集団47県市
中学校=個人68県市、集団47県市
高校=個人59県市、集団41県市
特別支援=個人58県市、集団43県市

面接を実施する時期は、次の通り。

1次試験=40県市
2次試験=66県市
1次・2次両方=39県市

内容別の実施状況は、次の通り。

作文・小論文=43県市
模擬授業=50県市
場面指導=38県市
指導案作成=14県市
適性検査=40県市

作文・小論文、模擬授業は、2次試験で実施される割合が高い。

一部試験免除や特別の選考など

教職経験者や民間企業での勤務経験者を対象に一部試験免除や特別の選考が行われている。
主な内容は、次の通り。

英語の資格=58県市
スポーツの技能や実績=46県市
芸術の技能や実績=22県市
国際貢献活動経験=35県市
民間企業等経験=49県市
教職経験=62県市
前年度試験での実績=40県市
複数免許状の所持=39県市

障害のある者を対象とした特別の選考は、67県市で実施されている。

教職大学院を含む大学院在学や進学を理由に採用を辞退した者に対しては、次のような特例措置を講じている。

次年度以降の試験の一部免除=7県市
その他の特別選考=5県市
採用候補者名簿登載期間の延長=60県市

受験についての基本的年齢制限は、次の通り。

制限なし=31県市
51~59歳=4県市
41~50歳=28県市
36~40歳=5県市

19年度において年齢制限緩和を実施したのは、秋田県、福島県、山梨県、鳥取県、愛媛県、長崎県、宮崎県、福岡市の8県市。

採用選考の透明性を堅持

試験問題、解答、配点、選考基準の公表や成績の本人開示など採用選考の透明性を高めるための取り組み、不正を防止するための取り組みは全68県市で実施されている。

07年度、08年度の教員採用試験において不正が行われた自治体があることが明らかになり、それを契機に採用の透明性を高める取り組みが進められた。

採用選考基準を公表している68県市のうち全ての選考基準を公表しているのは55県市となっている。