押さえたい教育時事 その6 運動部活動・文化部活動のガイドライン

生涯にわたり有意義な活動となるように

 

活動時間は平日2時間程度、土日3時間程度

働き方改革の流れを受け、「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」は2018年3月にスポーツ庁が、「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」は同年12月に文化庁がそれぞれ策定した。

教員の長時間勤務の元凶といわれることの多い部活動だが、これらガイドラインが学校現場にどう受け止められ、どのように運用されるのか、実際に過重勤務に歯止めがかかるのか、などに注目していきたい。

運動部、文化部のガイドラインは対をなして、部活動改革を促すもの。少子化などによる部活動の維持困難、教員の負担軽減、生徒ニーズの多様化、スポーツ科学に基づいた指導の徹底などを背景とする。

対象は義務教育である中学校(義務教育学校後期課程、中等教育学校前期課程、特別支援学校中学部を含む)段階の部活動で、高校の部活動にも原則として適用される。

活動時間は週当たり2日(平日1日、土日1日)以上の休養日を設け、活動時間は平日2時間程度、土日3時間程度とした。このガイドラインを学校ごとにどのように運用していくかが課題になる。

ガイドラインは、▽1 適切な運営のための体制整備▽2 合理的でかつ効率的・効果的な活動の推進のための取組▽3 適切な休養日等の設定▽4 生徒のニーズを踏まえたスポーツ環境の整備(文化部は「4 生徒のニーズを踏まえた環境の整備」)▽5 学校単位で参加する大会等の見直し――と共に5項目から成っている。

都道府県は、ガイドラインにのっとり、運動部・文化部活動の活動時間および休養日などを定めた「運動部(文化部)活動の在り方に関する方針」を策定。市区町村教育委員会や私立学校の設置者は、その方針を参考に学校ごとに「運動部(文化部)活動の方針」を策定する。

学校現場においては、校長が毎年度、運動部・文化部活動の活動方針を策定し、顧問は年間の活動計画や毎月の活動計画・実績を作成して校長に提出する。校長はこれらの方針や計画をホームページに公表する――ことが示されている。

「部活動指導員」などで指導体制の充実を

生徒の心身の健康管理、事故防止、体罰、ハラスメントの根絶の徹底などがうたわれており、科学的トレーニングの導入、適切な休養と短時間で効果が得られる指導など、合理的で効率的・効果的な活動の推進を求めている。「持続可能な部活動」がキーワードである。また、部活動も専門スタッフや地域人材と協働して学校を運営する「チーム学校」体制の中で行われる。

校長は、部活動顧問を決める際、適切な校務分掌となるよう留意し、法令にのっとった勤務時間管理を行い、部活動指導員の積極的な任用・配置を実施して教員の負担軽減に努めなくてはならないこととなっている。

学校においてスポーツや文化などにおける教育活動に関わり、校長の監督下で技術指導や大会への引率などを行うことを職務とする「部活動指導員」を学校教育法施行規則に新たに規定しているので、押さえておきたい。

本来、スポーツや文化活動は人間にとって自分の人生をより豊かなものにしてくれるものであり、中・高校における部活動もこのような教育的意義がある。ただ、過剰になると害をもたらすこともあるだろう。

その対象が心身とも成長段階にある中高生ではなおさらである。子供たちにとって生涯にわたり有意義なスポーツ・文化活動につながる部活動の在り方とはいったい何なのか。幅広い視野からの論議、および取り組みが必要とされている。