神谷正孝の5分でわかる教育時事2018~2019(9)新学習指導要領出題のポイント

kei塾主任講師 神谷 正孝

みなさんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。

先月に引き続き、6・7月の試験に向けて、狙われる時事テーマを取り上げながら、試験に備えたいと思います。

今回は、今夏の試験の大きなトピックス「学習指導要領改訂」について取り上げます。総則の内容はこれまでの連載でも取り上げましたが、今回は試験対策としての重要なポイントを押さえていきます。

穴埋め形式で出題される自治体

「空欄補充形式」で出題される自治体では、前文の他、総則の「小学校(中学校・高等学校)教育の基本と学校教育の役割」が出題の中心です。前文に示された、「社会に開かれた教育課程」についてや、総則の「生きる力」「資質・能力の3つの柱」「カリキュラム・マネジメント」は昨年も空欄補充問題として出題されています。空欄になりそうなキーワードを整理しておきましょう。

正誤問題で出題される自治体

正誤問題形式では、まず指導要領の形式面の改訂を押さえましょう。すなわち、前文と、六つの視点に沿った総則の内容構成です。

その上で、総則「教育課程の編成」の中で改訂前から示されている「内容の取扱い」における最低基準性や、「授業時数等の取扱い」における「指導計画の作成等に当たっての配慮事項」のポイントは引き続き押さえる必要があります。

改訂後の内容については「10分から15分程度の短い時間を活用した特定教科の指導」が小学校でも可能になったことや、新たに「学校段階間の接続」について規定されたことなどを押さえましょう。

両者共通の事項

出題形式によらず重要なことは、以下の通りです。①主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善②言語能力の育成③プログラミング④体験活動の充実⑤特別支援関連事項――など。

このうち、①については、学習指導要領解説に示された各学びの具体的な内容を確認することが大切です。

②については、言語能力が学習の基盤となる能力であることと共に、言語活動や読書活動の充実についても確認しておきましょう。

③は、その意味を確認するとともに、プログラミングを通じて論理的思考力を育成することを確認する必要があります。

④は体験活動が三つに分類される点を押さえながら、「体験活動の意義」についても考えておくと、論文・討論の対策にもなります。

⑤は、「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」作成が努力義務(特別支援学級在籍児童生徒、通級指導を受けている児童生徒は作成義務)とされたことと、特別支援学級において実施する教育課程に「自立活動」を取り入れるとされたことがポイントです。

◇ ◇ ◇

時間効率を考えると、指導要領本文の丸暗記はよい方法とは言えません。キーワードを項目別に整理して、書かれている内容を大まかに捉えるようにするとよいでしょう。

1.次は,中央教育審議会「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要
領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(平成28年12月21日)の一部である。文中の(
A )~( D )にあてはまる語句の正しい組合せはどれか。1~6から選びなさい。「主体的・対話的で深い学び」の実現とは,以下の視点に立った授業改善を行うことで,学校教育における質の高い学びを実現し,学習内容を深く理解し,資質・能力を身に付け,生涯にわたって( A )に学び続けるようにすることである。① 学ぶことに興味や関心を持ち,自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら,( B )を持って粘り強く取り組み,自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているか。② 子供同士の( C ),教職員や地域の人との対話,先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ,自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているか。③ 習得・( D )・探究という学びの過程の中で,各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら,知識を相互に関連付けてより深く理解したり,情報を精査して考えを形成したり,問題を見いだして解決策を考えたり,思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているか。A   B   C    D
1.探究的  見通し  共助  活用
2.探究的  意欲   共助  表現
3.探究的  見通し  協働  表現
4.能動的  意欲   共助  表現
5.能動的  見通し  協働  活用
6.能動的  意欲   協働  活用解答 52.次の文は,「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ
)」(平成28年6月16日文部科学省)の一部の内容を説明している。( A )~( C )に当
てはまる語句の組合せとして正しいものはどれか選びなさい。「( A )」とは,自分が意図する一連の活動を実現するために,どのような動きの組合せ
必要であり,一つ一つの動きに対応した記号を,どのように組み合わせたらいいのか,記号の組
合せをどのように( B )していけば,より意図した活動に近づくのか,といったことを(
C )に考えていく力のことである。A        B    C
1.プログラミング的思考  改善  論理的
2.情報活用能力      改善  体験的
3.プログラミング的思考  改善  体験的
4.情報活用能力      追加  体験的
5.プログラミング的思考  追加  論理的解答 13.次の文は,中学校学習指導要領(平成29年 文部科学省)の第1章「総則」の一部である。
これを読んで,問1,問2に答えなさい。特別な配慮を必要とする生徒への指導(1)障害のある生徒などへの指導

ア 障害のある生徒などについては,特別支援学校等の【1】を活用しつつ,個々の生徒の障害
の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うものとする。

イ 特別支援学級において実施する特別の教育課程については,次のとおり編成するものとする

(ア)障害による学習上又は生活上の困難を克服し【2】を図るため,特別支援学校小学部・中学
部学習指導要領第7章に示す【2】活動を取り入れること。

問1 空欄1,空欄2に当てはまる語句の組合せを選びなさい。

ア 1-保護者又は地域の人材  2-コミュニケーション
イ 1-保護者又は地域の人材  2-自立
ウ 1-助言又は援助      2-コミュニケーション
エ 1-助言又は援助      2-自立
オ 1-助言又は援助      2-社会参画

問2 下線部に関して,中学校学習指導要領解説 総則編(平成29年 文部科学省)における「
(1障害のある生徒などへの指導)に示されている内容として,適切なものの組合せを選びなさ
い。

① 担任を含む全ての教師間において,個々の生徒に対する配慮等の必要性を共通理解するとと
もに教師間の連携に努める必要がある。

② 障害の種類や程度によって一律に指導内容や指導方法が決まるため,障害の種類や程度を十
分理解して指導方法の工夫を行う。

③ 校長は,特別支援教育実施の責任者として,校内委員会を設置して,特別支援教育コー
ディネーターを指名し,校務分掌に明確に位置付ける。

④ 個々の状況に応じた必要な支援を行うことが必要であり,登校という結果を目標にするとと
もに生徒や保護者の意思を十分に尊重しつつ,生徒の進路を主体的に捉える。

⑤ 学級内において温かい人間関係づくりに努めながら,全ての生徒に「特別な支援の必要性」
の理解を進め,互いの特徴を認め合い,支え合う関係を築いていく。

ア ①②⑤  イ ①②④  ウ ①③⑤  エ ②③⑤  オ ①④⑤

解答 問1 エ  問2 ウ

解説 問1:新指導要領において、特別支援学級における指導において、自立活動を取り入れる
ことが示された。問2:②は「一律に指導内容や指導方法が決まる」が誤り。④は不登校につい
ての記述である。

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