押さえたい教育時事 その7 働き方改革答申勤務時間上限ガイドライン

教師人生を豊かにするために

働き方改革に積極的に取り組む文科省

中教審は1月、学校における働き方改革の総合的な方策を答申した。文部科学省は同時に、公立学校教員の超過勤務時間の上限を1カ月45時間以内、年360時間以内とするガイドラインを公表、働き方改革推進に努めている。

働き方改革には、教師が専門性を高める研修や児童生徒に向き合うための時間を確保するとともに、教師人生を豊かにし、人間性を高め、児童生徒へ効果的な教育活動ができるようになることが求められている。

答申は「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」と題されている。2017年6月に諮問され、中教審は初等中等教育分科会に「学校における働き方改革特別部会」を設置し議論を重ねてきた。

教員の多忙化解消は、教育現場の最も喫緊の課題とされている。15年の中教審の「チーム学校」答申、17年の働き方改革中間まとめとそれを踏まえた緊急対策、教員の勤務実態調査、18年の部活動ガイドラインなどにも目を通し、働き方改革の主な流れを把握しておきたい。

今回の答申では、教員の長時間労働の実態を踏まえ、学校が抱えている業務の精選やタイムカードによる適切な勤務時間管理の徹底、部活動指導員やサポートスタッフをはじめとする外部人材の活用、1年単位の変形労働時間制の導入検討を盛り込んだ。文科省や教育委員会が実施すべき制度変更や財政措置、施策のスケジュールを整理した工程表も示した。

一方、教職調整額4%の代わりに超勤手当を支給しないことを規定した給特法の見直しへの期待も高かったが、在校時間等縮減のための施策を優先するとの理由から、必要に応じ中長期的な課題として検討すべき、とした。このことから答申への失望感を表す声も少なくない。

打ち出された具体的な対策は、いずれも取り組んでみる価値はあるものと考えられている。文科省では答申を受けてすぐに省内に「学校における働き方改革推進本部」を設置し、施策の積極的な推進を図る構えである。

教師一人一人が理念の共有を

学校現場においては、教職員が働き方改革を自身も含めた学校全体の課題として捉え、個人的あるいはチーム単位で改善策を積極的に実践していくことが重要である。労働条件、業務能率、健康管理、ワークライフバランスなどを各教師が強く意識し、対策に積極的に取り組みたい。

答申では、「教師のこれまでの働き方を見直し、教師が日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、自らの人間性や創造性を高め、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようになる」という働き方改革の理念を、関係者全員が共有することを望んでいる。