神谷正孝の5分でわかる教育時事2018~2019(10)児童生徒の学習評価のポイント

kei塾主任講師 神谷 正孝

みなさんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。

6月の試験を受験された方は、お疲れさまでした。7月の試験を受験される方は、いよいよ第一関門です。高得点突破に向けて、引き続き狙われる時事テーマを取り上げながら、試験に備えたいと思います。

今回は、今年の1月に出された、「児童生徒の学習評価」に関連する内容について、取り上げます。

概要

中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」(2019年1月)では、新学習指導要領の全面実施を控え、新指導要領に示された内容を踏まえ、「カリキュラム・マネジメントの一環としての指導と評価」「主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善と評価」の視点から、学習評価の重要性を強調しています。

また、現状の評価における課題を踏まえ、学習評価の在り方については、「①児童生徒の学習改善につながるものにしていくこと、②教師の指導改善につながるものにしていくこと、③これまで慣行として行われてきたことでも、必要性・妥当性が認められないものは見直していくこと」を基本として、「専門的な検討」を行っています。

観点別学習状況評価の改善

観点別学習状況の評価については、新学習指導要領では各教科等の目標や内容を「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力・人間性等」の資質・能力の三つの柱で再整理したことを踏まえて左図のように示されています。

すなわち、観点別評価についても、これらの資質・能力に関わる「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点について、学習指導要領に示す目標に準拠した評価として三段階(ABC)により実施する、ということです。

このうち、「主体的に学習に取り組む態度」については、各教科等の評価の観点の趣旨に照らして、「①知識及び技能を獲得したり、思考力、判断力、表現力等を身に付けたりすることに向けた粘り強い取組を行おうとしている側面」「②①の粘り強い取組を行う中で、自らの学習を調整しようとする側面」という二つの側面を評価することが求められるとしています。

他の二つはイメージしやすいのですが、3点目は言葉だけでは理解が難しく、指導要領改訂の基になった中教審答申を確認するとともに、本資料もチェックしておきましょう。

指導要録の改善

高等学校における観点別評価を指導要録の参考様式に反映させることや、教師の勤務実態を踏まえて、指導要録の「指導に関する記録」を大幅に簡素化すること、教師による学習評価の結果を受けた指導の改善や児童生徒の学習の改善につなげることに重点を置くことなどが示されています。また、指導要録における評価の文章記述欄は、要点を箇条書きとするなど必要最小限にとどめるよう示されています。学校現場における「働き方改革」につながるものです。

◇ ◇ ◇

学習評価は筆記のみならず、2次試験に向けても重要な内容です。観点別学習状況の評価の三つの観点については全て言えるようにするとともに、具体的な方法や工夫について考えておくとよいでしょう。併せて、指導要領における記述も確認しておきましょう。

【例題】
例題1 次の文は,平成29年告示「小学校学習指導要領」の一部で「学習評価」について述べられている部分です。文中の(ア)~(オ)にあてはまる語句を書きなさい。

児童のよい点や進歩の状況などを積極的に評価し,学習したことの意義や( ア )を実感できるようにすること。また,各教科等の( イ )の実現に向けた学習状況を把握する観点から,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら評価の場面や( ウ )を工夫して,学習の( エ )や成果を評価し,指導の改善や( オ )の向上を図り,資質・能力の育成に生かすようにすること。

例題2 次の示すのは、中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会「児童生徒の学習評価の在り方について(報告)」(平成31年1月)の一部である。次の問いに答えなさい。

〇 現在、各教科の評価については、学習状況を分析的に捉える観点別学習状況の評価と、これらを総括的に捉える評定の両方について、学習指導要領に定める( ア )として実施するものとされており、観点別学習状況の評価や評定には示しきれない児童生徒一人一人のよい点や可能性、進歩の状況については、( イ )として実施するものとされている。このうち、評定については、平成 13 年の指導要録等の改善通知において、それまで( ウ )を中心に行うこととされていた取扱いが、学習指導要領に定める( ア )に改められており、すなわち評定には、各教科等における児童生徒一人一人の進歩の状況や教科の目標の実現状況を的確に把握し、学習指導の改善に生かすことが期待されている。

(1)空欄ア~ウに当てはまる語句を正しく組み合わせているものはどれか。
1.ア:目標に準拠した評価  イ:個人内評価     ウ:集団に準拠した評価
2.ア:集団に準拠した評価  イ:個人内評価     ウ:目標に準拠した評価
3.ア:目標に準拠した評価  イ:パフォーマンス評価  ウ:目標に準拠した評価
4.ア:集団に準拠した評価  イ:パフォーマンス評価  ウ:集団に準拠した評価
(2)「観点別学習状況の評価」と「評定」のそれぞれに期待される役割を簡潔に述べなさい。
(3)「指導と評価の一体化」とはどのようなことか。簡潔に述べなさい。

【解答】
例題1
解答: ア:価値 イ:目標 ウ:方法 エ:過程 オ:学習意欲
例題2
解答・解答例
(1)解答:1
解説:パフォーマンス評価とは、評価基準に沿ったパフォーマンスが出来たか否かを評価していくという評価方法。
(2)解答例
・「観点別学習状況の評価」は、児童生徒がそれぞれの教科での学習において、どの観点で望ましい学習状況が認められどの観点に課題が認められるかを明らかにすることにより、具体的な学習や指導の改善に生かすことを可能とするものである。
 ・「評定」は、児童生徒がどの教科の学習に望ましい学習状況が認められどの教科の学習に課題が認められるのかを明らかにすることにより、教育課程全体を見渡した学習状況の把握と指導や学習の改善に生かすことを可能とするものである。
(3)解答例
・評価結果を次の指導に生かすこと。
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