押さえたい教育時事 その8 新小・中・高校学習指導要領

「社会に開かれた教育課程」の実現目指す

今夏の教員採用試験の筆記、論作文、面接において、もっともテーマとして取り上げられるのは、やはり学習指導要領だろう。新学習指導要領の概要をまとめておく。

2030年の社会を見据え、子供たちの未来を考える

小・中学校の新学習指導要領は2017年3月に告示された。全面実施は小学校が20年度、中学校が21年度となっている。高校の新学習指導要領は、18年3月に告示され、22年度から年次進行で実施される。小中の新指導要領改訂を踏襲しながらも、高大接続改革への対応を見据えた内容となっている。

目指す理念として「社会に開かれた教育課程」が掲げられている。

この改訂は、中教審の答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領の改善」(16年12月)によって行われた。

「よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を学校と社会とが共有し、それぞれの学校において、必要な教育内容をどのように学び、どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを明確にしながら、社会との連携・協働によりその実現を図っていく」として、「社会に開かれた教育課程」を強調しているのが特徴。

試験対策としては、答申について①学校教育を通じて子供たちに育てたい姿(3章)②社会に開かれた教育課程(4章)③学びの地図としての学習指導要領(4章)④改善すべき事項をまとめ枠組みを考える6つの視点(4章)⑤カリキュラム・マネジメント(4章)⑥主体的・対話的で深い学び(4・7章)⑦何ができるようになるか(5章)⑧何を学ぶか(6章)⑨どのように学ぶか(7章)⑩評価の三つの観点(9章)――などを押さえておくことをお薦めする。

特に、改善すべき事項をまとめ、枠組みを考える6つの視点、①何ができるようになるか②何を学ぶか③どのように学ぶか④子供一人一人の発達をどのように支援するか⑤何が身に付いたか⑥実施するために何が必要か――は重要である。

各学校における「カリキュラム・マネジメントの確立」もポイント。現代的な諸課題に対応しての教科等横断的な学習の充実、「主体的・対話的で深い学び」の充実などのために、学校全体として、学習効果の最大化を図るカリキュラム・マネジメントの確立を目指すことも強調されている。

また、文科省「小学校及び中学校の学習指導要領等に関する移行措置並びに移行期間中における学習指導等について(通知)」(17年7月)にも目を通しておく。

文科省サイトに収載されている「平成29年度 小・中学校新教育課程説明会(中央説明会)における文部科学省説明資料」が、議論~改訂~実施の流れとポイントをつかむのに役立つ。

高校は高大接続改革と関連付ける

高校については、文科省が進めている高大接続改革において、高校教育を含む初中教育改革と、大学教育改革、大学入学者選抜改革の一体的改革の中で実施される改訂となる。

高大接続改革については、14年12月の中教審答申「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について―すべての若者が夢や目標を芽吹かせ、未来に花開かせるために」に目を通しておく。

高校で育成を目指す資質・能力を踏まえ、教科・科目の構成が改善されているので確認しておく。いくつか改編が実施されているが、「探究」という言葉が目を引く。

「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」になったのをはじめ、国語科の「古典探究」、地理歴史の「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」、新設の理数科の「理数探究基礎」「理数探究」など探究的な科目が設けられている。

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