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保護者から「うちの子供がいじめられている」という電話がありました。学級担任として、どのように対応しますか。
○回答
これはいじめを許さない学級経営の再出発の機会と受け止めます。まず、保護者からの訴えに対して感謝と謝罪を伝え、不安や動揺を共感的に謙虚な気持ちで受け止めます。直接会って正確な事実と取り組みの方針を伝えます。その事例の事実関係を整理し、学年会や生活指導部で報告します。
次に、学級への具体的な指導をします。「いやなことを言わない・されないこと」「参加を強制しない・されない」指導や仲間づくりの指導をします。
さらに、被害・加害児童に対する定期的な相談活動とともに、定期的に被害児童保護者と連絡を取ります。
[コメント]
この回答は、自分一人で抱え込まず、謙虚な態度で取り組みの方針を伝えようとしています。学校の問題として受け止めながら、学級で具体的な指導をしようとしています。このように被害・加害児童と保護者への聞き取りや指導について手順や留意点を、自分なりに整理しておくとよいでしょう。
×回答
電話でどのようないじめを受けているのかを聞き取ります。
次に、加害者といわれる子から話を聞きます。いじめられているという子には、小さなことを気にしないで強くなるように指導します。保護者にも子供同士の遊びにはよくあることなのであまり気にせず、子供を励ますように話します。今後、様子を見ていつまでも続くようなら学級全体の指導をします。
[コメント]
いじめが大きな社会問題になって久しく、いじめ根絶は緊急を要する教育課題です。そんな今、この回答はいじめに対する認識のなさがはなはだしく、非常に残念です。もう一度、なぜ、いじめがなくならないのか、学び直した方がよいでしょう。
いじめ対応に関する具体的な対応や聞き取りの方法については、文科省や各教育委員会のホームページに掲載されている「いじめ根絶」の資料を参考にするとよいでしょう。教育現場を目指す人の必読資料の一つです。ぜひ熟読してあなたの考えを整理しておきましょう。そして、模擬解答を書いて推敲(すいこう)することを勧めます。
アドバイザー・塚田亮 元東京都公立学校長