合格する論作文にするには 対策の具体的なポイント

資料集めから執筆まで

合格する論作文を書くには、一夜漬けの対策では無理である。来夏に向けて、今からすぐに、計画的に論作文対策に取り組む必要がある。その具体的なポイントをまとめてみた。

論文のための資料を集める

文科省のホームページは教育に関する情報の宝庫である。中教審をはじめ、各審議会や研究協力者会議などの答申や審議のまとめ、同省からの通知や通達、各種の統計データを得ることができる。

また、受験する県の教育委員会のホームページも調べておきたい。学校数、教員数、児童生徒数の推移などの統計データをつかむとともに、各教委が作成した教育の振興計画を読んで、その自治体の教育施策の重点を調べておくとよい。

国立教育政策研究所や民間の教育研究所の調査・研究資料も参考になる。そのような資料は繰り返し読むことが大事。繰り返していくと、勘が磨かれ、深く読めるようになる。また、教科書会社、教材会社のサイトにも有用な情報が多い。

問題意識を持ってニュースを読む

当紙面でも繰り返し指摘しているが、教育時事については少なくても過去3年分の時事に目を通しておいた方がよい。内容を覚えるだけではなく、このニュースに対して自分はどのように考えるかをまとめておこう。

知識として覚えるだけではなく、それぞれの事項に関して「自分はこう考える」と意見をまとめるくせをつける、つまり問題意識を持つということだ。

例えば、「教師が生徒の成績情報が入ったUSBを紛失した」という事案がいまだに度々起こりニュースになるが、教師として成績など個人情報をどのように扱わなくてはならないか、なぜその教師はUSBを学外に持ち出したのか、自分なら個人情報およびUSBの扱いをどのように留意していくか――などを具体的に考え、ノートにまとめていく。これを試験直前まで行いたい。

読みやすくする基本的な書き方を学ぶ

文章は読むように書くのではなく、見えるように書くのがコツ、と言われている。ぱっと見て、分かるように書く、という意味である。まずは、文字はなるべくていねいに大きく、黒々と書こう。5~6行に1回は改行し段落をきちんととり、さらに箇条書きも取り入れる。文章は、できるだけ1文を短く切って書く。避けたいのは、段落もなくびっしりと細かい字で埋め尽くす書き方である。

「留意する点は、次の3点である」など、数字を示して書くと分かりやすい。「第一に」などという表現も有効だ。「その背景を説明すると」「その理由をまず挙げていくと」と書くと説得力が高まる。

とにかく書いてみる。次に、段落取り、単文・短文化、箇条書きを取り入れ形を整える。それから内容を整える。抽象論や美辞麗句になっていないだろうか。具体的な話で書いているだろうか。このようにチェックしていく。

書くことに慣れる

論作文は書き慣れることが必要である。毎週1テーマぐらいを選んで、書く練習をしたい。その前提として、前述のように教育時事について日頃から敏感であることが求められる。

書く際は、PCではなく鉛筆で書こう。本番では、鉛筆で書くからである。普段はPCを用いた「打つ」動作が多いので、鉛筆で「書く」ことに慣れておきたい。

また、PCだと漢字をすぐに変換できるが、いざ鉛筆で書こうとすると漢字を思い出せない、ということもある。書き慣れて思い出せるようにしておきたい。

論作文では表現力の配点が高いので、何回も書いて表現力を高めていくことが必要だ。志望する自治体が決まったら、その志望先の執筆制限時間や制限字数に合わせて何回も書いていく。

いい文章を読んで、まねをする

論作文は、読んでもらう人、採点官に理解しやすいものでなくてはならない。そのために限られた字数で可能な限り明確な論述を示したい。その手本は、新聞に掲載されている「社説」である。

本紙にも、「ロゴス」というタイトルのコラムが掲載されている。それを読んで、自分の考え、主張を限られた字数でどのように示していくか、学んでもらいたい。論の組み立てなどは、まねしていくとよいだろう。

広い視野で個性を出す

論作文は、多くの内容を書いてはいけない。つい欲張って多くを述べようとしたり、知識を披露しようとしたりする。勉強した成果を示したい気持ちは分かるが、字数は限られているので、的を絞って書く練習をする。

それには、同じテーマで何度も書き直してみるとよい。すると、どのようなテーマでも書けるようになってくる。

また、論作文の採点をすると、どれも同じような内容であることが多い。同じテーマについて書くのであるから当然ではあるが、合格を目指すからには個性を出して差別化を図りたい。

そのためには、常に多角的に物事を見る練習をしておく。奇抜さは必要ないが、新しさを感じる教育活動を提案できるように心掛けたい。

多くの人に読んでもらう

論作文を書き上げたら、できるだけ多くの人に読んでもらおう。家族、受験仲間、教師になった大学の先輩、教育実習で世話になった学校の校長や教師、大学の教官などにどんどん読んでもらい、アドバイスをもらいたい。

「主張が分からない」「字が汚い」「内容構成を工夫したほうがよい」「この表現は使わない方がよい」など何でもよいからアドバイスをもらう。それを素直に聞いて、好印象を与える論作文が書けるよう、日々練習に励もう。

また、書いたものは捨てずにファイルしておく。同じテーマで書いて、どのくらい自分が成長しているか確かめよう。自信につながる。