【押さえたい教育時事】2020年度文科省概算要求

文教施策の最新動向に目を通す

毎年8月に各省庁から次年度予算案の概算要求が発表される。文科省の概算要求もサイトで閲覧できるので、ぜひ目を通しておこう。概算要求には喫緊の、または中長期の教育課題に対する施策が示されている。文教行政が何を課題だと考えているか、どのような方向に向かおうとしているかが分かる。

面接の回答や論作文で、施策の動向などを交えると、この受験者は勉強していると評価される。

新学習指導要領・働き方改革への対応に注目

文科省関係予算全体の要望額は5兆9689億円。前年度予算と比べ約6485億円増。このうち、文教関係予算は4兆4450億円(前年度予算額比4036億円増)。新たな取り組みでは、個別最適化された学びを実現するための大容量高速通信ネットワーク(GIGAスクールネットワーク構想)の整備や、小学校高学年における教科担任制を推進するための教職員加配などがある。

小学校から全面実施となる新学習指導要領対応、働き方改革のための指導・運営体制の構築に1兆5197億円(同3億円減)を要求。4235人の教職員定数改善を図る。

主な内容は、▽小学校の英語専科指導=1000人▽小学校高学年での教科担任制に先行的に取り組む学校への支援=2090人▽中学校における生徒指導や支援体制の強化=670人▽発達障害のある児童生徒への通級指導の充実=426人▽外国人児童生徒に対する日本語指導教育の充実=79人▽いじめ・不登校などの未然防止・早期対応の強化=670人――など。スクール・サポート・スタッフを1800人、中学校の部活動指導員を3000人増やすなどし、多様な人材が学校の教育活動に参画する取り組みを進めていく、という方向性である。

先端技術活用の推進、いじめ対策など

学校のICT環境整備も目玉。6月に公表した「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策」に基づいて推進する。

「新時代の学びにおける先端技術導入実証研究事業」で19億4900万円(同16億9200万円増)を計上。遠隔教育システムの導入や先端技術の活用、大学と研究機関を結ぶ大容量高速通信ネットワーク「SINET」の開放と、初等中等教育機関の接続に向けた実証研究などに取り組む。

新規事業として3年計画の「GIGAスクールネットワーク構想」を立ち上げ、374億7300万円を要求。学習者用コンピューターの「1人1台環境」の実現や大容量高速通信インフラの整備、先端技術・教育ビッグデータの活用を一体的に推進する。

いじめ対策や不登校支援では74億9200万円(同6億700万円増)を計上。スクールカウンセラーの全公立小中学校への配置、スクールソーシャルワーカーの全中学校区への配置に引き続き取り組む。

文科省の概算要求資料で初中教育の主要事項として挙げられた17項目は別表の通り。

ぜひサイトで確認して、概要を頭に入れておきたい。