【押さえたい教育時事】全国学力・学習状況調査

志望する自治体の傾向もつかむ

いろいろな論議を呼んでいる全国学力・学習状況調査だが、文科省は7月に今年4月実施の同調査の結果を公表した。この調査については学力そのものに関する事項を含め、教採試験の論作文、面接共に頻繁に取り上げられるテーマであり、注目しておく必要がある。

全国学力・学習状況調査は2007年から毎年、小学校6年生と中学校3年生を対象に実施されている。調査の目的は、次の3点である。

▽義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析することにより、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図る。

▽学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善などに役立てる。

▽そのような取り組みを通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。

文科省では学力調査だけでなく質問紙による学習状況調査も併せて行い、その結果については教師自らの教育および教育施策の改善、各児童生徒の全般的な学習状況の改善などにつなげることが重要などと実施要領で示すように、単なる学力テストではないことを強調している。

今年度も小6と中3を対象に実施。従来の国語と算数・数学に加え、初めて中学校で英語を出題した。国、教委、学校が三者一体で実施する教育施策および教育指導の改善・充実に向けた一大事業である。その趣旨を踏まえ、調査を積極的に活用する各学校の取り組みが強く求められる。

結果の主な概要は、次の通り。

今回の調査において、国語と算数・数学では、従来の主に知識を問うA問題と、活用や課題解決を問うB問題を統合して出題した。初めて中学校で英語も出題した。都道府県別の平均正答率は、秋田県や福井県、石川県などが高かった。

小6国語の平均正答率は64.0%。目的や意図に応じて自分の考えを整理して記述することなどに課題がみられた。平均正答率を都道府県別にみると、秋田県(74%)、石川県・福井県(共に72%)が高い。小6算数の平均正答率は66.7%。二つのグラフから特徴を読み取り、それらを関連付けて判断した理由を記述することなどに課題がみられた。平均正答率は、石川県(72%)、秋田県・東京都(共に70%)が高い。

中3国語の平均正答率は73.2%。根拠を明確にして自分の考えを持つことなどに課題がみられた。平均正答率は、秋田県(78%)、石川県・福井県(共に77%)が高い。中3数学の平均正答率は60.3%。事象を数学的に解釈し、問題解決の方法を数学的に説明することなどに課題がみられた。平均正答率は、福井県(66%)、秋田県・富山県・石川県(共に65%)が高い。

初の中3英語では4技能を問い、「話すこと」はコンピューターに生徒が解答を音声で入力。国数と比べると平均正答率は低く、「話すこと」は30.8%。筆記の「読むこと」「書くこと」「聞くこと」の平均正答率は56.5%。平均正答率は、東京都・神奈川県・福井県(共に59%)が高い。

学習指導の改善・充実に役立てることが重要

試験対策としては、全国の結果だけではなく志望する自治体の結果にも目を通し、傾向をしっかりとつかみ、それに対する自分の考えをまとめておくことが求められる。

また、調査実施のたびに「解説資料」が出される。調査実施後、すぐ活用できるよう、出題の趣旨、解説、回答類型、学習指導に当たっての留意点などが示されている。国立教育政策研究所のサイトから閲覧できる。これにも目を通し、学習指導の改善に対する自分の意見をまとめておきたい。