問題行動調査への対応 いじめ、不登校をどう捉えるか

 

学級担任として具体的に考えよう

2018年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」結果が文科省から公表された。いじめ、不登校などの実態を調査したもの。問題行動は学校教育現場において最も喫緊の課題である。この調査結果はもちろん、いじめ、不登校などに関する事案は頻繁にメディアで取り上げられており、社会全体の関心が高い。教員採用試験においても、面接や論作文で再三にわたり取り上げられている。その動向、概要をしっかりつかんだ上で、問題行動に対する自分自身の意見をまとめておきたい。

具体的な数値、傾向などを捉える

文科省は、「教育現場における生徒指導上の取り組みのより一層の充実に資する」「児童生徒の問題行動等の未然防止、早期発見・早期対応につなげていく」ことをねらいに毎年、「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査」を実施している。

結果が公表されたら、必ず目を通し、主要な数値の推移などは記憶しておきたい。論作文などでは、具体的な数値が入っていると「勉強している」と思われる。
主な結果を項目ごとに示す。

〔いじめ〕

小中高校、特別支援学校のいじめの認知件数は54万3933件(前年度より12万9555件増加)で、児童生徒1000人当たりの認知件数は40・9件(前年度30・9件)だった。校種別では、▽小学校=42万5844件(前年度比10万8723件増)▽中学校=9万7704件(同1万7280件増)▽高校=1万7709件(同2920件増)▽特別支援学校=2676件(同632件増)――という結果。全校種で増加している。

過去5年間では小学校におけるいじめの認知件数が大幅に増えている。児童生徒の生命に関わるいじめの重大事態は602件発生しており、前年度より128件増加した。校種別では▽小学校=188件(同43件増)▽中学校=288件(同64件増)▽高校=122件(同20件増)▽特別支援学校=4件(同1件増)。

〔不登校〕

小中学校の不登校は合わせて16万4528人に上り、6年連続で増加。在籍児童生徒に占める不登校児童生徒の割合は1・7%。中学校では1学級に1人は不登校の生徒がいるという実態である。文科省では不登校児童生徒の約6割が90日以上欠席しているなど「憂慮すべき状況」としている。

内訳をみると、小学校では▽欠席日数=30~89日・2万4794人(55・3%)▽欠席日数90日以上で出席日数11日以上=1万6891人(37・7%)▽欠席日数90日以上で出席日数1~10日=1997人(4・5%)▽欠席日数90日以上で出席日数0日=1159人(2・6%)。

中学校では▽欠席日数30~89日=4万4099人(36・8%)▽欠席日数90日以上で出席日数11日以上=6万92人(50・2%)▽欠席日数90日以上で出席日数1~10日=1万629人(8・9%)▽欠席日数90日以上で出席日数0日=4867人(4・1%)。

〔暴力行為〕

小学校での暴力行為の発生件数が前年度と比べて大幅に増加し、低年齢化の傾向。

小中高校で起きた暴力行為は7万2940件で前年度と比べて9615件増加。校種別では▽小学校=3万6536件(前年度比8221件増)▽中学校=2万9320件(同618件増)▽高校=7084件(776件増)――となり、小学校が大幅に増加している。

学年別の加害児童生徒数では、▽小1=3335人(同979人増)▽小2=4311人(同1291人増)▽小3=4914人(同1021人増)▽小4=5744人(同1470人増)▽小5=6353人(同1547人増)▽小6=6450人(同1359人増)▽中1=1万2291人(441人増)▽中2=1万545人(同469人増)▽中3=7067人(同196人減)▽高1=3831人(同491人増)▽高2=2819人(同297人増)▽高3=1594人(同108人増)▽高4=65人(同14人増)――など。

いじめに対する考え方をまとめる

2013年に「いじめ防止対策推進法」が制定・施行された。各校において「いじめ防止基本方針」の策定が義務付けられたが、依然として課題は多く、この方針の見直し、ガイドラインの策定が実施された。

17年3月に文科省は、「いじめ防止等のための基本的な方針」の改定および「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」を策定した。改定した方針では、いじめ防止への意識改革、組織的な協力体制を打ち出している。

学校におけるいじめ防止への措置では、未然防止、早期発見に重点を置いている。全教職員による「学校いじめ対策組織」を中核とし、存在と活動を子供たちに認知してもらう取り組みなどを明示した。いじめに対する措置では、児童生徒から教職員にいじめの報告や相談があった際には、教職員は他の業務に優先して対応するよう強調。その際、学校いじめ対策組織に報告し、組織的な対応につなげるものとした。

重大事態の発生についてガイドラインは、「安易に、重大事態として取り扱わないことを選択するようなことがあってはならない」との認識の下、「学校の設置者及び学校の基本的姿勢」「重大事態を把握する端緒」「重大事態の発生報告」「調査組織の設置」「被害児童生徒・保護者等に対する調査方針の説明等」など10項目で構成、重大事態の定義や発生時の報告、調査の進め方などをまとめている。

特に、被害児童生徒や保護者から、いじめで重大な被害が生じたとの申し立てがあった際には、学校がその時点で「いじめの結果ではない」「重大事態とは言えない」と考えたとしても、重大事態が発生したものとして報告し調査に当たらなければならない、とした点が注目される。

問題行動に関する文科省の通知、まとめはいずれも文科省のサイトで閲覧できるので、必ず目を通しておきたい。

実際に面接や論作文で、いじめについて問われた際は、「自分が学級担任であった場合、どのように考え、どのような対応をするか」を示すことがポイントであると捉えたい。問題行動に関する推移、動向を理解した上で、自分の考えをまとめ、どう実践していくかをしっかりと示したい。

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