【教員採用試験の勉強の進め方(2)】論作文が苦手な人のために 

帝京科学大学教育人間科学部教授 釼持 勉
この連載の一覧

映画などを題材に書き慣れる

前回は論作文の書き方の基本を身に付けることの大切さを論じました。今回は論作文の苦手な人に対しての勉強法を述べましょう。

「書くこと」が苦手、論拠の立て方が分からない、基礎知識が不足している、字数に合わせてまとめる力が足りない、など苦手の理由はいくつかあるでしょう。

1. 論拠立てを明確にする

論作文の冒頭、テーマに対して論拠に当たる部分をどのように示すとよいかということです。

例えば、全国的に多いいじめがテーマの場合には、「いじめはどの学校でも、どの学級でも起こり得るが、人として許されない行為であると認識している。文科省の問題行動調査によれば……」などとすれば、文科省の調査結果を論拠とすることができます。

学力・学習状況調査、体力状況調査など学校教育に関する全国レベルの調査結果が文科省サイトにアップされています。これらを論作文の基礎資料として活用するとよいでしょう。

2. 苦手な人の具体的学び方―映画などを題材に

筆者は、大学の授業で映画を取り入れて論作文指導をしています。取り上げる視点として、学校教育にかかわる作品・内容をピックアップしています。

一例を挙げます。映画『君の膵臓をたべたい』を鑑賞します。映画から学んだ点を2点書く、という練習をします。論作文の書式に合わせて800字以内、1000字以内で書くとよいでしょう。

「生きるとは、生きていくとは」をテーマにしたり、「余命1年と宣告されたときの生き方とは」など登場人物の行動や気持ちに合わせて考えたりします。「ストーリー性のよさと演技の素晴らしさ」などについてでも結構です。テーマについて書式に合わせて書く練習ができます。

3. 表記の基本を身に付けられるようにする

論作文と作文の違いが分からないまま書いている人が少なくありません。作文から抜け出せない場合、文末表記が「思います」「考えます」の連続であることが多いのです。論作文を心得ている場合は、「認識しています」「把握しています」「判断しています」などのように今の自己のレベルが分かるようにしています。

やむを得ず「思う」「考える」を文末に使う場合でも「大切」「大事」「必要」「重要」「不可欠」などを使い分ければ自己の今の段階を示せます。

論作文の具体例を提示し、学びが進むように論じました。自分の好きな小説や論説、映画などを取り上げると、「書くこと」に慣れることができるでしょう。論作文を書くときに必要な基礎知識が確かになります。受験する自治体の論作文の字数などに合わせてチャレンジしてみましょう。

「論作文対策」の記事をもっと読む

この連載の一覧

関連記事