【教員採用試験の勉強の進め方(3)】論作文の精度を高める

帝京科学大学教育人間科学部教授 釼持 勉
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質の高いキーワードを用いて

論作文は、書き慣れることが上達の決め手となります。そのためには、日頃からどのように取り組めばよいかを十分理解しておく必要があります。また、どのように書いたものがよい論作文となるかを実感することが大切になります。

1. 論作文のテーマ性を意識して書き慣れる

論作文は、ある程度決まった出題パターンがあります。例えば、「いじめ問題は本県においても大きな問題となっています。あなたは学級担任として、いじめの認識と合わせて、どのような対策をしていくのか、600字以内でまとめなさい」といったテーマであれば、いじめの認識、いじめに対する対策、学級担任としての認識を中心に論述します。

前回述べたように「いじめの認識」を「どの学校でもどの学級でも起こり得る、人として許されない行為」の認識、さらに「問題行動調査によれば、冷やかし、からかい、悪口によるいじめが増加している」という実態に対する認識を示す。その上で、学級担任として言語感覚(正誤・適否・美醜)を鍛える指導を徹底していく、という具体的な対策を論述すれば、テーマに合ったものとなります。

2. 論作文のテーマを分析して自分のものとして書き上げる

各自治体から出題されるテーマは、大きく分けて次の項目が目立ちます。

▽学力向上に関すること=学習指導、授業改善

▽いじめ問題に関すること=いじめの認識、対策、担任としての指導

▽学級経営に関すること=居場所づくり、支持的風土の学級づくり、向き合う・寄り添う学級づくり

▽心の教育=教科道徳の進め方と評価、自己肯定感

▽人間関係づくり=認め合い・かかわり合い・支え合う人間関係づくり

▽体力向上に関すること=一学級一運動、体力状況調査の結果

以上の六つのテーマについて論作文を書けることが求められます。

そして、論述する上で使いたい語句を上手にちりばめ、その精度を挙げて構成していくことです。

例えば「よりよい授業をつくっていく」を「目標の明確化を軸にした授業の構築」とするとどうでしょうか。あるいは「一人一人を大事にする学級づくりをしていく」を「一人一人の居場所を大事にする支持的風土の学級づくりをしていく」とするとさらにレベルアップした印象となります。

論作文の精度を高めることは、問いに対して正対した上で、テーマに関する適切で質の高い、洗練されたキーワードで表現することでもあります。ワンランク上の論作文にするために、皆さんも表現力を高めていきましょう。

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