【押さえたい教育時事(12)】外国人児童生徒・日本語指導

入管法改正を機に増加の傾向

グローバル化が急速に進展し、学校現場でもその対応が急務である。「出入国管理及び難民認定法」(入管法)が2018年12月に改正され、19年4月に施行された。

外国人労働者の受け入れ拡大の推進が決まったのに伴い、来日する人々の生活条件をどう整備するか、特に子供たちの教育をどうするかが、学校現場における大きな課題となっている。既に、日本の公立学校においては、外国にルーツを持つ子供が多数在籍する地域もあり、現場の努力で何とか対応している実態がある。

外国籍の児童生徒が多数在籍しているという実態

文科省の調査によれば、2018年度時点で公立学校に在籍している児童生徒のうち日本語指導が必要な児童生徒数は5万759人に上っている。16年度の前回調査より6812人増加した。

その内訳は、外国籍が4万485人(前回比6150人増)、日本国籍が1万274人(同662人増)となっている、10年前の08年度において日本語指導が必要な児童生徒は3万3470人なので、かなりの増加である。

改正入管法では外国人材受け入れのため、「特定技能1号」「特定技能2号」という2つの在留資格を新設した。家族帯同が可能な「特定技能2号」の資格試験は21年から開始予定なので、この法改正によりすぐに外国人労働者の子供が多くなるということはない。だが、数年先には外国人の子供が多く来日することは確実である。日本で生まれる子供も増えるだろう。

前述のように地域、学校によっては、既に外国にルーツを持つ子供たちの教育が大きな課題となって教員たちを悩ませている。

何より、これらの児童生徒の普段の使用言語が多様であることがその要因となっている。中国語、ポルトガル語、スペイン語、フィリピノ語などを母語とする児童生徒が在籍しているのだ。これらの言語を使用できる教員、学んだ経験のある教員は、日本の学校現場には少ない。適切な教材もなく指導も難しい。ボランティアの支援なども受けて何とか日本語を学んでいるケースが多いという。

多様な施策が検討されている

政府は、18年に「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」をまとめ、「外国人児童生徒の教育等の充実」を打ち出し関連施策を進めている。

外国人への日本語教育の機会充実や日本語教育の質の向上などを盛り込んだ「日本語教育の推進に関する法律」が昨年6月に公布、施行された。基本的施策として、外国人児童生徒に対する日本語指導や教科指導を専門に担う教員や支援員の配置、国内で生活する外国人が日常生活を送る上で必要な日本語を習得できるよう国や地方による日本語教育の環境整備などを明記している。

文化庁はこれを受け、「日本語教育推進会議」において、外国人児童生徒の日本語教育の機会の拡充策などの検討を始めた。文科省でも6月には「外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議」を、8月には「外国人児童生徒等における教科用図書の使用上の困難の軽減に関する検討会議」を設置、それぞれ改善策・支援策を検討している。

受験を予定している自治体、または現在住んでいる地域において、外国人児童生徒の実態がどうなっているか調べておくとよいだろう。もし指導に苦慮している実態があれば、面接などで現在自分が注目している教育課題として指摘し、対応策を提案してみるのもよい。勉強している受験者として評価されるだろう。

外国人児童生徒の増加は、日本の学校や社会の在り方を改めて考える機会ともいえるので、その面からの考察でもよい。