【半年前の準備(2)】ベーシックな質問にどう対応 経験を整理しておこう

5つの定番質問の回答例を考える

前回、採用試験本番半年前の準備について紹介した。その第2弾として、面接のベーシックな質問に対する対応を考えてみよう。教採試験の面接において、どの自治体でもよく聞かれるベーシックな質問を取り上げる。対応は、自己PRにも生かすことができる。

面接は、知識をひけらかしたり、もっともらしい理想論を述べたりするのではなく、自分の経験を軸に答えるのが基本。これから本番までの間に、自己の経験をまとめておくと、面接だけではなく、論作文などにも活用できる。

面接の狙いは「常識や専門知識の評価」「性格や態度の評価」「価値観の理解」「対人関係能力・コミュニケーション能力の評価」などである。自治体によって比重の置き方は異なるが、これらをもって「総合的な人物評価」をする。これらを念頭に面接の準備を進めよう。

質問例1=「あなたの長所と短所を教えてください」

同様の質問は「あなたの特徴を5分以内で自己PRしてください」「得意なこと、不得意なことは何ですか」など。自己PRができる質問なので、きちんと準備する。

「長所は○○なところです」と抽象的に答えても伝わらない。具体的根拠に欠けるPRは説得力がないのだ。これまでの経験を整理して、自分はどう考え、どう行動したか、それが自分をどのように特徴付けているか。

例えば「一つのことに根気よく取り組める」「リーダーシップをとることができる」「人の意見を聞き、まとめることができる」などの長所を、具体的な根拠を基に表現できるようにしておくとよい。

この長所が教職に生かすことができる、教員としての強みになる、というように示せればより効果的である。

短所は別に隠す必要はない。短所は、考えようによっては長所にもなるので、表現の仕方を考えたい。短所を述べた後はその改善策を求められる場合もあるので、考えておく必要がある。

性格の長所短所は、自分では答えにくいものである。家族、友人などに聞いておき、周囲からはこう言われており、自分としては謙虚に受け止めているとして、長所を伸ばし、短所を改める意思を示すとよいだろう。

質問例2=「大学生活で打ち込んだことは何ですか」

4年間の学生生活をどう過ごしたかは面接官にとって受験者を判断する格好の要素である。したがって、自信と誇りを持って答えたい。人間性や社会性を含め自己PRの絶好のチャンスであり、できれば教職と関連付けて話したい。

例えば「免許を取るため、試験に合格するため、一生懸命に勉強してきました」というのは、視野が狭く人間としての魅力を感じない。

目的に向け成績の向上に取り組むのは学生として重要なことではあるが、ゼミやサークル、部活動、ボランティアなどに打ち込んだ経験を広い視野で答えるように心掛ける。得意な科目、友人との関係などもまとめておく。

「勉強の合間を縫って、小学校の学習ボランティアをしたり、ラクロスのサークルで仲間やさまざまな人との交流を深めたりしました」などのように、多彩な経験や心の充実が見えると、面接官に好印象を与える。

ポイントとしては、具体的な活動を述べ、そこから何を学んだかを付け加えること。アルバイトについて語るのなら、どのような職業観、社会観を学んだか、そして、それが教職にどのように生かせるかを示したい。

留年した場合、理由などを聞かれる場合もあるが、できるだけ正直な回答を心掛ける。

質問例3=「教員を志望した動機は何ですか」

まず間違いなく聞かれる、教採試験の面接における定番中の定番の質問と考えてよい。「小さい頃からの夢でした」「私は子供が大好きです」などと夢や子供好きを強調する受験者が多くみられる。それだけではなく、教員の職務の重要性をしっかり理解していると感じさせるアピールをしたい。

「担任の言ってくれた一言が、私を救ってくれました」「両親が2人とも教員です。教材を一生懸命考えたり、クラスをよくしようと切磋琢磨したりする両親の背中を見て、私も両親のような教員になりたいと思いました」など、きっかけや理由は具体的に答える。

自分のこのような面(性格など)が教員に向いているから、と答えるのは構わないが、どうして向いていると分かるのかなどと追及される場合もある。

教員とはどのような職業なのか、自分の特性はどのようなものか、自分が社会人になるに当たりどのような目標を持っているのか。これらをきちんと整理して、自分が教員になる必要性をまとめておきたい。志望動機につき自信を持って、はっきりと答えられれば、面接官は意欲や熱意を高く評価するだろう。

質問例4=「どのような教員を目指しますか」

これも定番の質問。同様の質問に「理想の教員像を教えてください」などがある。

回答を考えるに当たっては、どのような教員になりたいか、面接官が具体的なイメージを持てるような回答にしたい。専門職としての自覚と責任、求められる資質能力を認識した上での回答が望ましい。

「明るく元気で、何ごとにも前向きである教員を目指したい」「私は体を動かすのが大好きです。忙しくても休み時間は、子供と遊び、授業だけでなく遊びの中からも子供理解を深めることのできる教員を目指したい」などがあるだろう。

「児童生徒一人一人の個性を大切にする」「思いやりがあり、児童生徒の相談相手になれる」「コミュニケーション能力を有し、同僚や保護者からも信頼される」「学習規律をきちんと付けさせ、分かる授業ができる」など教員に求められる資質能力に基づいた教員像を示し、なぜそれを目指すのか、自分はそれに向けてどのような努力ができるか、熱意を込めて語りたい。

受験する自治体の目指す教員像を踏まえて「児童生徒に夢を育み、ふるさと○○の未来をたくましく切り開いていく児童生徒を育成する教員になりたいです」などと答えるのもいいだろう。

質問例5=「教育以外で興味のある分野はありますか」(趣味、スポーツ、読書など)

興味のあることの内容への関わり方で性格の側面がつかめるので、よく出される質問である。一つのことに熱心に打ち込める性質は、教職でもプラスに判断されるだろう。

「絵画が好きで、休日にはよく美術館に行きます」はよいが、絵画を鑑賞してどのような思いを持つか、それが教職にどのようにつながってくるのか、などについても答えたい。行動の全てが教育の役に立つと考えており、趣味を通して具体的にそれをどのように実感しているか、などを語りたい。

一番避けたいのは「特にありません」だ。しかし、なんとなく「読書です」と答えて、「好きな本や作家を教えてください」「最近どんな本を読みましたか」「感想を教えてください」などと突っ込まれ、口ごもってしまい失敗することもある。具体的に答えられる準備が必要だ。

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