【教員採用試験の勉強の進め方(6)】場面指導についての理解①

帝京科学大学教育人間科学部教授 釼持 勉
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学習指導など多様な場面を想定

個人面接の時間内で場面指導が行われるケースが多くあります。学校現場で起こり得るさまざまな状況に対して、基本的な対処の仕方などを問うものです。

場面指導の準備はどのように進めればよいでしょうか。どのような状況、どのような課題が示されるかを想定して考えておくことが必要です。

学校内でのさまざまな場面を想定しておきましょう。

主に次のような項目を考えておくとよいでしょう。

▽学習指導について=「学級開きで大切なことは」「よい授業とは」「学力とは」

▽生徒指導について=「いじめの認識」「いじめの対策」「不登校への対応」「落書きへの対応」

▽学級経営について=「名前の呼び方」「座席の決め方」「居場所づくり」

▽保護者対応について=「成績処理について」「授業について」「地域からの苦情」

▽法規について=「地方公務員法31条・同33条・同35条」「教育公務員特例法」「いじめ防止対策推進法」

これらの事項を基に広げていくことが多いようです。

例えば、学習指導でよく問われるのが「よい授業とはどのようなものでしょうか」です。これに「楽しい授業です」と答えてひんしゅくを買ったという事例がよく挙げられています。これは授業が成立する条件に関する質問なので、「楽しい」で終わってしまっては教師として失格です。

学級経営では「あなたは学級担任として子供たちの名前をどのように呼びますか。その理由も教えてください」とよく問われます。これについては、教育実習の体験から「○○さん、□□くんと呼んでいました。丁寧な言い方だと教えてもらいました」などの答えが多いでしょう。

お勧めは、「○○さんと呼びます。日本語の特質として、○○さんの後には荒れた言葉は言いにくいからです」との答えです。これは、文化庁の「ことばシリーズ」にも収載されています。言語感覚を身に付ける第一歩は名前の呼び方からだと認識しておくとよいでしょう。

場面指導は、一つの回答だけでなく、付随する関連事項を理解して自己の基礎知識にしておくことが大切です。

生徒指導関連では、「児童から落書きの報告がありました。学級担任としてどう対応しますか」「○○さんの上履きが隠されました。どう対応しますか」などとよく問われます。「誰がしたかを追及します」との答えが多いでしょう。

これは事実の確認を軸とします。落書きであるなら、次の対応がよいでしょう。「事実の確認(何と書いてあったのか)」「規模の確認(どの程度の書かれ方か)」「記録(写真に撮る)」「落書きの消去(必ず児童生徒と消去)」です。内容に人権上の課題がある場合は管理職に報告します。

場面指導の基礎的な対応は、事実(状況)の確認と根拠に基づいた対処です。これまで勉強してきた基礎知識を総動員して回答を考えましょう。

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