【教員採用試験の勉強の進め方(8)】人権感覚と言語感覚

帝京科学大学教育人間科学部教授 釼持 勉
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教師として求められる必須の力

この連載では論作文、個人面接、場面指導を取り上げて、基本的な勉強の仕方と考え方、テーマ性の理解などについて述べてきました。

最終回は教員採用試験で何が問われているのを述べ、自己分析する際の参考にしてもらいたいと考えます。それは、人権感覚と言語感覚です。

①人権感覚を高める

「人権とは誰もが生まれながらにして持っている権利であり、誰からも犯されない権利である」ことが大前提です。各自治体の教育委員会の教育目標を達成するための基本方針にも「人権教育の推進と社会貢献」のような形で、必須事項として取り上げられています。学校教育においては、最重要かつ基本の考え方となります。

採用試験での個人面接や場面指導では、受験者の人権感覚が問われます。特に「子供の人権」が重要です。いじめ、不登校、虐待などの課題を含む人権です。これが理解できてこそ、「いじめ問題」を考えることができます。

また、人権を巡っては多くの課題があります。女性、子供、高齢者、障害者、同和問題、外国人、HIV感染者、刑期を終えて出所した人、犯罪被害者、犯罪加害者、性同一性障害、LGBT、環境、個人情報など、多くの課題があることを認識しておく必要があります。

②言語感覚を高める

「いじめ問題」の理解を深めるためには、文科省の問題行動調査の結果を参考にすることです。近年は「冷やかし、からかい、悪口」といった言葉のいじめが激増している実態があります。児童生徒の言語感覚が身に付いていないのです。

言語感覚とは、何でしょうか。正誤・適否・美醜感覚のことです。これが児童生徒に身に付いていないのが、学校現場で問題となっているのです。

したがって、さまざまな生徒指導の問題が解決に至らない原因は、言語感覚が定着していないことに他ならないのです。児童生徒に言語感覚をしっかりと身に付けさせることが対策として重要です。

特に学級担任としては、正誤・適否を問う機会を設定して、物事を判断できる力を身に付けることが必須となります。

二次試験は、人物評価、人間評価にシフトしています。話し方、考え方に加えて、人権感覚、言語感覚があるかどうかがポイントとなります。何事にも当事者感覚で向き合うことが求められます。

(おわり)

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