【神谷正孝の教育時事2019(6)】実施直前「新学習指導要領」

kei塾主任講師 神谷 正孝

新学習指導要領の要点

皆さんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。

新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策などで、学校現場も忙しいことと思います。わが塾においてもウェブ対応の体制を整えました。現場にいる皆さんも大変だと思いますが、頑張ってください。

さて、いよいよ4月から小学校で新学習指導要領が全面実施となります。今回は実施直前の新学習指導要領の要点を、「学び」の視点から捉えます。採用試験対策としてチェックしておきましょう。

「主体的・対話的で深い学び」

新学習指導要領のキーワードとして「主体的・対話的で深い学び」は重要です。児童生徒に求められる資質・能力を育むために、児童や学校の実態、指導の内容に応じ、「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」の視点から授業改善を図るよう示されました。

これは、「主体的・対話的で深い学び」として、従来と全く異なる指導方法を導入しなければならないということではありません。これまでの授業改善の取り組みやその実践を否定するものではないことに注意しておきましょう。

このうち、特に「深い学び」の鍵となるのが、各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方である「見方・考え方」です。

学習指導要領解説「総則編」ではその点に言及し、「見方・考え方」は「新しい知識及び技能を既にもっている知識及び技能と結び付けながら社会の中で生きて働くものとして習得したり、思考力、判断力、表現力等を豊かなものとしたり、社会や世界にどのように関わるかの視座を形成したりするために重要」であり、「習得・活用・探究という学びの過程の中で働かせることを通じて、より質の高い深い学びにつなげることが重要である」としています。

教科等横断的な視点

新学習指導要領では「各学校の教育目標を明確にする」とともに、「教育課程の編成についての基本的な方針が家庭や地域とも共有されるよう努める」ことを示した上で、「教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成」を重要視しています。

この「教科等横断的な視点」は「学習の基盤となる資質・能力」「現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力」の2点から捉えられています。前者については「言語能力」「情報活用能力」「問題発見・解決能力」の3つが示され、後者については中教審答申において、別表のように例示されています。

情報活用能力・プログラミング

これからの社会においては、児童生徒が「情報を主体的に捉えながら、何が重要かを主体的に考え、見いだした情報を活用しながら他者と協働し、新たな価値の創造に挑んでいけるようにする」(小学校学習指導要領解説)ため、情報活用能力の育成が重要になってきます。

また、身に付けた情報活用能力を発揮することにより、各教科等における「主体的・対話的で深い学び」へとつながっていくことが期待されるものでもあります。

子供たちが将来どのような職業に就くとしても、時代を超えて普遍的に求められるものとして「プログラミング的思考」が示されました。「プログラミング教育」では、プログラム言語を覚える、プログラミングの技能を習得することが直接の狙いではなく、プログラム体験を通じて、論理的思考力を育成することが求められている点に注意しておきましょう。

【例題】
1.次は,中央教育審議会「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(平成28年12月21日)の一部である。文中の空欄にあてはまる語句の正しい組合せはどれか。1~6から選びなさい。

「主体的・対話的で深い学び」の実現とは,以下の視点に立った授業改善を行うことで,学校教育における質の高い学びを実現し,学習内容を深く理解し,資質・能力を身に付け,生涯にわたって( A )に学び続けるようにすることである。

① 学ぶことに興味や関心を持ち,自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら,( B )を持って粘り強く取り組み,自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているか。
② 子供同士の( C ),教職員や地域の人との対話,先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ,自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているか。
③ 習得・( D )・探究という学びの過程の中で,各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら,知識を相互に関連付けてより深く理解したり,情報を精査して考えを形成したり,問題を見いだして解決策を考えたり,思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているか。

A    B      C    D

1.探究的  見通し  共助  活用

2.探究的  意欲   共助  表現

3.能動的  見通し  協働  表現

4.能動的  意欲   共助  表現

5.能動的  見通し  協働  活用

解答 5
2.次の文は,「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)」(平成28年6月16日文部科学省)の一部の内容を説明している。( A )~( C )に当てはまる語句の組合せとして正しいものはどれか選びなさい。

「( A )」とは,自分が意図する一連の活動を実現するために,どのような動きの組合せが必要であり,一つ一つの動きに対応した記号を,どのように組み合わせたらいいのか,記号の組合せをどのように( B )していけば,より意図した活動に近づくのか,といったことを( C )に考えていく力のことである。

A        B    C

1.プログラミング的思考  改善  論理的

2.情報活用能力      改善  体験的

3.プログラミング的思考  改善  体験的

4.情報活用能力      追加  体験的

5.プログラミング的思考  追加  論理的

解答 1