【押さえたい教育時事(14)】改正給特法の成立

1年単位の変形労働時間制の導入

教員の長時間労働を解消する

働き方改革は、学校現場の喫緊の課題として学んでおかなくてはならない。背景には、教員の多忙さがある。

特に、新学習指導要領の実施に伴い、授業時数も増加し、授業改善も求められている。また、依然としていじめ、不登校などの問題行動は深刻である。学校が抱える問題は複雑化し、勤務時間は増加傾向だ。こうした中で、教員の心身の健康管理が大きな課題となっている。

働き方改革の柱の一つが、教職員給与特別措置法(給特法)の改正である。

公立学校の教員に1年単位の変形労働時間制を導入可能とする改正給特法が昨年12月、成立した。変形労働時間制を導入する際の条件などを盛り込んだ、12項目の付帯決議も採択された。また、文科省は1月に、改正に伴う教員の超過勤務時間の上限などを定めた指針を告示。指針を踏まえ、各自治体では来年度からの施行に合わせた対応を実施することになる。

批判が多かった給特法

「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(給特法)は、昭和46年(1971年)に制定された。同法第3条第1項で、「教育職員には、その者の給料月額の百分の四に相当する額を基準として、条例で定めるところにより、教職調整額を支給しなければならない」、同条第2項は「教育職員については、時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない」としている。

つまり、公立学校の教員について①時間外勤務手当や休日勤務手当を支給しない②代わりに、給料月額の4パーセントに相当する教職調整額を支給する――ことを定めた法律である。

残業時間上限月45時間、年360時間

学校の働き方改革が進められる中、問題点の多い給特法の見直しが進められ、このたび改正法の成立となった。

目的は、教員の働き方改革の推進。公立学校教員の「在校等時間」の上限を文科相が指針として定め、教員の長時間労働の是正に向けた取り組みを法的に位置付ける。

同時に、自治体が条例を定めれば、1年単位の変形労働時間制を導入できることも盛り込み、夏休みなどに休日のまとめ取りができるようにする。学校現場で趣旨から逸脱した運用を防ぐため、12項目の付帯決議も付された。

付帯決議では▽学校で客観的な勤務時間の把握ができるよう、必要な財政措置を拡充する▽教育委員会や校長に対し、教員の持ち帰り業務の縮減のための実態把握に努めるよう求める▽1年単位の変形労働時間制を導入する場合は、対象となる学校が在校等時間の上限や、部活動ガイドラインの順守といった要件を満たしているかを確認する▽法律や指針、省令などに逸脱した運用を防止する策として、教員から文科省や教育委員会への相談窓口を設けるよう促す――などを求めている。

指針は、昨年1月に中教審の答申に合わせて文科省が策定した「上限ガイドライン」が基となる。公立学校の教員の超過勤務時間の上限を1カ月45時間、年360時間以内とし、ICT機器やタイムカードを活用した客観的な勤務時間管理の導入を求めた。休憩時間や休日の確保も、労基法などの法令順守を徹底。

上限時間については、教員が「上限時間まで業務を行うことを推奨するものと解してはならない」とし、長時間労働の是正に向けた取り組みが不十分なまま、学校や教員に上限時間の順守を求めるだけであったり、勤務時間の虚偽の記録や持ち帰り業務の増加があったりしてはならないとした。