【神谷正孝の教育時事2019(7)】学校保健

kei塾主任講師 神谷 正孝

いまここで学校保健を確認しておこう

皆さんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。

新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっており、その影響により各地で臨時休校となりました。新学期を迎えるにあたり、現場にいる皆さんも先読みできず大変だと思いますが、頑張ってください。

今回は、学校保健安全法に関連して、感染症の予防やその他、学校保健について内容を確認していきます。

「感染症予防」

学校保健安全法では、学校内における感染症予防の対応として、以下の二点が規定されています。すなわち「感染症予防による出席停止」と「感染症予防による臨時休業」です。

一つ目の「出席停止」については、「校長」は、「感染症にかかつており、かかつている疑いがあり、又はかかるおそれのある児童生徒等」に対して「出席を停止させる」ことができると規定しています。学校教育法三五条で規定する「性行不良等による出席停止」と異なり、校長の権限で実施されることを確認しておきましょう。

感染症によっては、出席停止の期間が定められているものもあります。特に採用試験においては「インフルエンザ」について問われることが多く、「発症五日かつ解熱後二日を経過するまで」としています(学校保健安全法施行規則)。

二つ目の「臨時休業」については、まさに今回の措置となりますが、最終的に臨時休業をするか否かは、各学校の設置者が決定します。

学校保健安全法では、「学校の設置者」は、「感染症の予防上必要があるとき」に「学校の全部又は一部の休業を行うこと」ができることを規定しています。

ここで、「学校の設置者」とは、私立学校は「学校法人」ですが、公立学校の場合は「市町村・都道府県の教育委員会」であることに注意しておきましょう。通常は設置者が管理を行いますが、公立学校の場合は、学校を設置した地方公共団体の「教育委員会」が管理者となります。

季節性のインフルエンザ等による「学級閉鎖」についても、法令上の根拠はこの条文となります。学校教育法施行規則で規定する「非常変災等による臨時休業」の場合は、「校長」の権限となるので区別しておきましょう。

健康診断

学校保健安全法では、①児童生徒の健康診断、②職員の健康診断、③就学時健康診断の三つの健康診断を規定しています。このうち①については、毎学年6月30日までに実施することが規定されており、したがって新学期に各学校で定期の健康診断が実施されています。この健康診断は、臨時に行うことも可能です。②については、「学校の設置者」が各学校の教職員に対して行います。③については、義務就学手続きの一環として、義務教育にかかわる事務を担当する「市町村教育委員会」が実施します。それぞれ「誰が」の部分が異なりますので注意が必要です。

その他

同法では学校保健に関する事項として、「学校保健計画」「環境衛生検査」「保健指導」「保健室」「学校三師(学校医・学校歯科医・学校薬剤師)」などについても規定しています。養護教諭受験者は、専門試験でさらに深いところまで問われるのでしっかり確認しておきたいところです。

【例題】
1.学校保健安全法で定められた事項として適切でないものを,次の1~5から1つ選びなさい。
  1. 市町村教育委員会は,感染症にかかっている児童生徒の出席を停止させることができる。
  2. 学校の設置者は,感染症の予防上必要があるときに,臨時に学校の休業を行うことができる。
  3. 学校の設置者は,必要があるときは,臨時に学校の職員の健康診断を行うものとする。
  4. 学校においては,毎学年定期に,児童,生徒の健康診断を行わなければならない。
  5. 都道府県の教育委員会の事務局に,学校保健技師を置くことができる。
解答 1
【解説】市町村教委ではなく校長の権限すべて学校保健安全法を参照のこと。
2.学校保健安全法・学校保健安全法施行規則に照らして,妥当なものは,次の1~5のうちのどれか。
  1. 学校における児童生徒等の健康診断は毎学年5月31日までに実施する。
  2. 健康診断の結果は21日以内に児童生徒本人及び保護者へ通知する。
  3. 健康診断の結果をもとに健康診断票を作成し20年間保存する。
  4. 職員の健康診断は,任命権者が実施する。
  5. 職員の健康診断票は,任命権者が保管する。
解答 2
【解説】学校保健安全法・学校保健安全法施行規則を確認しておこう。1は,「6月30日」までである。2は正しい(学校保健安全法施行規則)。3は,「20年間保存」が誤り。保存期間は5年間である。4・5は,「任命権者」ではなく「学校の設置者」である。学校の管理に属することなので,任命権者は関係ない。