受験者はいま何をすべきか 本紙論説委員がアドバイス

試験の動向が不透明

新型コロナウイルスで教育現場は、これまでにない混乱に陥っている。今夏に予定されている2021年度教員採用試験も同様であり、この先の動向は不透明である。受験を予定している者は、大きな不安を抱えていることだろう。そこで、学校管理職の経験が豊富な本紙の寺崎、細谷の両論説委員から、いまどのような心構えでいるべきか、何を準備するべきか、受験者へのアドバイスをもらった。


「読む・聞く・見る」ことに努める
本紙論説委員 寺崎 千秋
■基本的な事項を改めて確認

採用試験の今後の見通しは、情勢が刻々と変わっていくので定かではありません。まずは、教育委員会のホームページ、大学の学生課、卒業した学校や実習した学校の校長らといった情報源、ネットワークの確認を怠らないようにしましょう。

採用試験は状況により内容や方法などの変更も予想されますが、これまでに学んできた基本的な事項を改めて確認しておきましょう。皆さんはこれから約10年、新教育課程のもとでの教育や学校運営の主体者です。

キーワードである「社会に開かれた教育課程」「資質・能力の三つの柱」「カリキュラム・マネジメントの確立」「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」などについて「書ける・話せる・示せる」よう、「読む・聞く・見る」ことに努め学習しておきましょう。

特に、学校休校の状況でオンライン授業の実施が急がれています。情報教育に関する知識・技能を高めておくことが必要です。

視野を広げ深く考える

学習方法として新聞を読むことを勧めます。新型コロナウイルス関連の事実だけでなく、解説や論説で多彩な角度から諸問題を論じています。社会の状況・情勢を把握しじっくり考えられます。学校で今重視している「見方・考え方」を鍛えることにもなります。

各教科など固有の見方・考え方を活用します。「オーバーシュート」「3密」「正しく恐れ、冷静に行動」などの言葉や言説から意味や意義を考える。感染症の歴史や地域性を学ぶ。新型コロナウイルスに関する表やグラフから見えることを学ぶなど。

そして、総合的な学習の探究的な見方・考え方で広範な事象を多角的な角度から俯瞰(ふかん)して捉え、実生活や自己の生き方と関連付けて問い続けることです。教材研究の手法にもなり、力量が高まると思います。

今回の感染症は世界を大きく変えると言われています。視野を広げ深く考えることを大切にしてください。

学校はあなたを待っています。

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「時間割づくり」で対応を
本紙論説委員 細谷 美明
第一に配慮すべきは健康管理

新型コロナウイルスの到来は、21世紀に生きる人類にとって未曽有の危機です。しかし、人類はその歩みを止めることなく危機に対して挑み続けなければなりません。

来年度の教員採用選考についてもしかりです。現在、各都道府県では選考方法などについての協議は行っているが、選考そのものの中止は考えていないでしょう。したがって、受験者は、選考は実施されるものとしてこれまで以上にその準備を怠ってはいけません。

準備のうち第1次選考対策は自宅での時間が以前よりあるでしょうから、法規、一般教養、専門教養と過去問を中心に入念に行いたいものです。昨年までの受験に失敗している者は、教育委員会から設問ごとの採点結果が送られているのであれば、得点が取れない分野への対策に時間を投入することができます。

選考対策以上に配慮してほしいのが健康管理です。自宅に引きこもることの最大のリスクは生活リズムを崩し体調不良を起こすことです。結局、感染しやすい体質を自分で作ってしまうかもしれません。

そこで、学校が子供たちに提唱している「時間割づくり」をお勧めします。受験勉強の時間のほか運動や趣味の時間、調理と飲食を含めた食事の時間も入れ、規則正しい生活を送るための時間設定を心掛けることが大切です。早寝・早起きの起床・就寝時刻も必須項目となります。

■教委の情報を小まめにチェック

現在大学4年生の者は教育実習を控えていますが、文科省の通知で春期の実習が秋期に変更になった者も多いでしょう。さらに事態が好転しなければ秋期実習もどうなるか予断を許しません。当然、文科省もその対策を検討していると思いますから、選考とは切り離し泰然自若の心をもって日々を過ごすべきでしょう。

感染の状況により試験日程など選考に関する運営内容も変化していきます。今後は小まめに教育委員会が発する情報をチェックし、万全の体制で本番を迎えられるようにしてもらいたいものです。自己管理は社会人の条件であることをいま一度認識すべきです。