【神谷正孝の教育時事2019(10)】試験直前特集1

kei塾主任講師 神谷 正孝

今年押さえておきたい時事

皆さんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。

教養試験が中止になったり、討論試験がなくなったり、論文試験の時間が短縮されたりと、皆さんも不安を感じていることかと思います。教養試験が中止になった自治体では、専門試験勝負になります。これから試験を迎える方は、各自の試験に対応した最終仕上げを頑張ってください。

今回と次回は、総集編ということで、今年の試験で押さえておきたい時事についてポイントをおさらいします。

テーマ1「学習指導要領」

今年の採用試験でも学習指導要領関連の出題は多くなるものと予想されます。また、筆記試験だけでなく、2次試験においても指導要領についての理解が問われる場面が必ずあります。

中でも「主体的・対話的で深い学び」は重要な語句の一つです。学びへの興味関心のもと、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って取り組み、振り返って次につなげる「主体的な学び」、子供同士の協働や教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えることなどを通じ、考えを広げ深める「対話的な学び」、知識の関連付け、情報の精査、問題発見と解決、思いや考えをもとに創造することなどの「深い学び」のそれぞれについてイメージを持っておきましょう。

「言語能力」「情報活用能力」は共に、「教科横断的な視点」のもとで育成に取り組む学習の基盤となる力として重要です。言語能力は、言語活動を通じて育成を図るものです。

情報活用能力の育成に当たっては、2019年版の「教育の情報化に関する手引」で示された情報活用能力の概要を押さえましょう。なお、小学校指導要領に示された「プログラミング」に関する基礎的な内容を通じ、プログラミング的思考(=論理的思考力)を身に付けることもトピックです。

この他、「カリキュラム・マネジメント」「資質能力の3つの柱」などについても内容を確認しておきましょう。

テーマ2「児童生徒関連」

まず、重要なのは「いじめ」「暴力行為」などの問題行動と「不登校」です。3つとも増加し、「いじめ」「暴力行為」については小学校での集計数が一番多くなっています。

「いじめ」の対応は、「いじめ防止対策推進法」に基づき策定された「いじめ防止基本方針」に基づき、「学校いじめ対策組織」による組織的な対応が基本です。

「暴力行為」については、規範意識の醸成とともに、毅然(きぜん)とした態度で事案対処することが、「不登校」については、再登校を最終的な目標とせず、「進路形成の問題」として捉えていく姿勢が対応の基本方針です。その上で、暴力行為については警察などと、不登校は、教育行政やNPO法人といった支援者などとの連携ネットワークで対応することが基本です。

児童生徒関連のテーマとして、「発達障害」も重要トピックです。普通学校における特別支援教育の体制が拡充され、高校においても「通級による指導」が実施されるなど制度面の改革も押さえておきましょう。

なお、特別支援学級在籍者および、通級指導を受けている児童生徒については、特別支援学校と同様に、「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」の作成が義務付けられています。

その他、学校外に関わるテーマとしては児童虐待があります。身体的虐待・性的虐待・ネグレクト・心理的虐待の4類型を押さえるとともに、教員には早期発見の努力義務が課され、虐待防止の啓発が求められていることも要チェックです。

虐待を受けたと思われる子供の発見者による、直接通告・児童委員を介した間接通告は、義務とされていますが、学校現場においては、教員独自の判断で通告を行うのではなく、組織的に対応することになります。

【例題】
1.次に示すのは,平成29年告示小学校学習指導要領「総則」の一部である。空欄に当てはまる語句を書きなさい。

2 教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成

⑴ 各学校においては,児童の発達の段階を考慮し,( 1 )能力,( 2 )活用能力(( 2 )モラルを含む。),問題発見・解決能力等の学習の( 3 )となる資質・能力を育成していくことができるよう,各教科等の特質を生かし,教科等( 4 )的な視点から教育課程の編成を図るものとする。

⑵ 各学校においては,児童や学校,地域の実態及び児童の発達の段階を考慮し,豊かな人生の実現や災害等を乗り越えて次代の( 5 )を形成することに向けた現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力を,教科等( 4 )的な視点で育成していくことができるよう,各学校の特色を生かした教育課程の編成を図るものとする。

解答 1:言語  2:情報  3:基盤  4:横断  5:社会
2.平成29年告示小学校・中学校学習指導要領に関する事項の説明として適切でないものを1つ選びなさい。
    1. 言語活動を充実させ,発達の段階に応じた,語彙の確実な習得,意見と根拠,具体と抽象を押さえて考えるなど情報を正確に理解し適切に表現する力の育成を図ることとした。
    2. 学ぶことに興味や関心を持ち,自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら,見通しをもって粘り強く取り組み,自己の学習活動を振り返って次につなげる学びである「主体的な学び」を重視した。
    3. 小学校においては,各教科等の特質に応じて,コンピュータでの文字入力等の習得,プログラミング言語習得のための学習活動を実施することとした。
    4. 資質能力の3つの柱として,「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」を示した。
    5. コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え,これらを適切に活用した学習活動の充実を図ることとした。
解答 3
解説

プログラミング教育の目標はプログラミング言語の習得ではなく,プログラミング的思考を育むことである。