【神谷正孝の教育時事2019(12)】GIGAスクール構想

kei塾主任講師 神谷 正孝

時代の流れから今後の在り方を考える 

皆さんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。

当塾においても、また、私が関わっている大学での指導もリモート対応がメインになりました。4月以降、日々試行錯誤しながら、新しい可能性を探ってきたところです。その中で感じていることは、これまで対面で行ってきたものを、単に置き換えればよいという話ではなく、全く新しい形を追求しなければ、魅力あるコンテンツにはならないということです。

学校現場におけるICTの活用も、同じだと思います。「1人1台」の時代に、タブレットやPCを用いて何を行うか、時代の流れを押さえた上で、自分の問題として捉え、どのような可能性があるのかについて考えてみる必要があります。採用試験対策のみならず、今後の教員としての自分の在り方にも関わる課題でもあります。

そこで、今回は、政府が進める「GIGAスクール構想」についてチェックしておきたいと思います。

◇ ◇ ◇
やれることは無限に広がる

GIGAとは「Global and Innovation Gateway for All」の頭文字を組み合わせたもので、「多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、子供たち一人一人に公正に個別最適化され、資質・能力を一層確実に育成できる教育ICT環境」の実現を目指す取り組みで、1人1台端末の下、これまでの教育実践と最先端のICTのベストミックスにより教師・児童生徒の力を最大限に引き出すこと、とされています。Society5.0時代に求められる能力の育成や、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善に寄与するものとして、期待されています。

学校内のネットワーク環境が整備され、1人1台端末が実現すると、できることややれることは無限に広がります。デジタル教科書・教材など良質なデジタルコンテンツが充実し、一人一人の反応の把握による双方向型の授業が実現することで、「一斉学習」のイメージは大きく変わります。

また、学習者のログ分析により、「個別学習」が飛躍的に進化します。さらには、それぞれの考えをリアルタイムで共有でき、意見交換をすることも可能で、「協働学習」の可能性も広がりそうです。

ハード面だけでなく、コンテンツの開発などのソフト面、学校現場における指導体制の、三位一体の取り組みが、基本的な推進体制です。

自治体が中心に進める

GIGAスクール構想は自治体が中心になって進める取り組みです。文科省は各自治体が主体的な取り組みを進めることができるよう、「GIGAスクール構想の実現パッケージ」(2019年12月・文科省)を示すとともに予算措置を講じています。

また、各学校現場での取り組みを支援するため、学校現場におけるICT活用に向けた取り組みのノウハウ集ともいうべき、「教育の情報化に関する手引」を公表しました。

「第4章 教科等の指導におけるICTの活用」においては、ICTを効果的に活用した学習場面の10の分類例を示すとともに、小学校、中学校、高校については各学校段階における教科等ごとに、特別支援教育については学習上の困難・障害種別ごとに、ICTを活用した効果的な学習活動の例を提示しています。

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上述の「実現パッケージ」では、別掲する「目指すべき次世代の学校・教育現場」が示されています。また、リーフレット「GIGAスクール構想の実現へ」においても、今後の学校現場におけるICT活用について示されています。

さらに詳細な内容は、「『未来の学び』構築パッケージ」(文科省)にも示されています。こうした内容から、今後の学校や教育の在り方について考えておきましょう。

【例題】
1. 次に示すのは,文部科学省リーフレット「GIGAスクール構想の実現へ」の一部で,「ICTの活用により充実する学習の例」として示されたものである。空欄に当てはまる語句を書きなさい。
□( ア )学習:課題や目的に応じて、インターネット等を用い、様々な情報を主体的に収集・整理・分析
□( イ )・制作:推敲しながらの長文の作成や、写真・音声・動画等を用いた多様な資料・作品の制作
□( ウ )教育:大学・海外・専門家との連携、過疎地・離島の子供たちが多様な考えに触れる機会、入院中の子供と教室をつないだ学び
□( エ )教育:実際に情報・情報技術を活用する場面(収集・発信など)が増えることにより、( エ )を意識する機会の増加
解答 ア:調べ  イ:表現  ウ:遠隔  エ:情報モラル
2. 次に示す用語と説明の組み合わせとして適切でないものを選びなさい。
    1. CISO:最高情報セキュリティ責任者のことで,地方公共団体における全ての教育ネットワーク、教育情報システム等の情報資産の管理や情報セキュリティに関する権限及び責任を有する。
    2. EdTech:Education とTechnology を掛け合わせた造語で,テクノロジーの力で教育環境が変わっていく動き・トレンドのこと。
    3. クラウド・バイ・デフォルト:クラウドサービスの利用を第一候補と考えて、システム構築時の環境について検討を進める方針のこと。
    4. STEAM教育:Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics 等の各教科での学習を実社会での課題解決に生かしていくための教科横断的な教育のこと。
    5. AI型ドリル教材:1人1台端末環境で、全員一律に知識の定着・適用を図るドリル問題を,紙ベースの問題集に代わって提供するシステム。
解答 5
解説

AI型ドリル教材とは,1人1台端末環境で、個々の生徒の理解度・特性に合わせた個別最適学習を提供する。算数・数学・理科等の教科で、生徒の解答内容からAIが理解度を判断し、誤答の原因と推定される単元に誘導するなど一人一人の理解を助ける最適な出題で学びを支援する教材である。

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