【神谷正孝の教育時事2020(1)】少人数学級・少人数教育

kei塾主任講師 神谷 正孝

教育法規と共に押さえよう

皆さんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。2021年採用試験に向けて、試験対策の一助として、本連載を活用いただければと思います。

菅内閣の誕生により、教育政策の動向がどのように動くか、興味深いところですが、ここへ来て、にわかに「少人数学級」の話題が取り沙汰されています。コロナ禍の中で、先月、前シリーズで取り上げたGIGAスクール構想と共に、少人数学級についても注目が集まっているようです。

今回は、現行制度のポイントも押さえながら、少人数学級・少人数教育について解説してみたいと思います。

◇ ◇ ◇

1学級当たりの児童生徒の数については、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(以下、標準法)」において、別表の通り定められています。法令制定時より、段階的に標準数が引き下げられ、現在は40人が標準数となっています(小学校1年生のみ35人)。

しかしながら、現実には各学校の1学級当たりの児童・生徒の数は、40人に満たない場合も多くあります。単純に学年に児童生徒が41人所属していれば、20人と21人の2クラスに分割するなどしている場合もありますが、多くは都道府県において、標準法の標準を下回る基準を設けているためです。1学級の人数の基準を下げると、その分、学級数が増加し、教員も増やさなければなりません。増加分の人件費については、都道府県が負担しています。

これまでも何度も、少人数教育の拡大が言われてきましたが、完全実施にならない事情はこの財源の問題です。全国一律に実施する場合は、国の予算措置が必要です。

義務教育に関連する費用のうち、教職員の人件費の3分の1が国庫負担で、都道府県や政令市に、補助される仕組みがあります。平たく言うと、標準法の数値に基づいて教職員定数が決定され、それに基づいて算出された額が都道府県や政令市に入ります。都道府県や政令市は、独自の予算措置を行うとともに、こうした財源を活用しながら、少人数教育を実現させているのが現状です。

今後の予算編成で、どのような結論になるかは分かりません。しかし、現在のコロナ禍の中で、「3密」を避けることが求められており、教室内で子供同士の距離を確保するとなると、現在の教室の広さでは難しいという現実があります。

また、少人数教育には学力向上や不登校の減少、教師の児童生徒と向き合う時間の確保など、さまざまなメリットがあることが言われており、流れが加速する可能性もあります。半面、財源確保の問題や、教員数の増加による質の低下など、制度上の課題も指摘されています。

採用試験受験者の視点、現場の教員の視点で「ジブンゴト」として、「少人数教育」を捉えるならば、教育効果について具体的に考え、授業や児童生徒への自分の向き合い方につなげてみると説得力のある意見になりそうです。

◇ ◇ ◇

採用試験では、論文・討論・面接などで教育時事の知識が問われます。話題のテーマについて、概要を理解した上で、「ジブンゴト」として捉える習慣を身に付けましょう。

【例題】
1.次の説明のうち,適切でないものを選びなさい。
    1. 教職員定数は,学級数等に応じて機械的に計算する基礎定数と政策目的に応じて配分される加配定数に分けられる。
    2. 基礎定数の中には,校長・教頭(副校長)及び学級担任を含み,学級担任外教員等は含まれない。
    3. 加配定数の中には,指導方法工夫改善,児童生徒支援,特別支援教育などによる加配人数が含まれる。
    4. 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律では,一学級の児童数を小学校1学年のみ35人としている。
解答 2
解説

学級担任外教員等として,通級による指導及び日本語指導が必要な児童生徒数に応じた教員定数も含めて基礎定数の中に入れている。

2.次の文章の空欄に当てはまる数字を答えなさい。

公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律において,国は,学級編制の標準を,小学校1学年は( ア )名,その他の学年は( イ )名を標準としている。都道府県教育委員会は,国が定める標準を踏まえ、学級編制の基準を設定することになるが,国が定める標準を下回る数を基準とすることも認められる。市町村教育委員会は,都道府県教育委員会が定める基準を踏まえ、学校の児童生徒の実態に応じ、柔軟に学級を編制することとされているが,この場合,事後の届出が必要である。

なお,特別支援学級では,国の定める標準は小学校・中学校とも( ウ )名であり,特別支援学校小学部・中学部では,( エ )名,重複障害の場合は( オ )名である。

解答 ア:35  イ:40  ウ:8  エ:6  オ:3
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