【神谷正孝の教育時事2021(4)】教育時事を効率よく対策するために

kei塾主任講師 神谷 正孝

教職教養の学習順序を考えよう

新年明けましておめでとうございます。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾(http://www.kei-juku.jp/)主任講師の神谷です。受験生の皆さんは、あと半年余りで本番を迎えます。教職教養の学習対策も計画的に進めなければなりません。年頭に当たり、教育時事の学習指針をつかむために、今回は効率のよい学習法について解説したいと思います。

◇ ◇ ◇
(1)学習指導要領

学習指導要領のキーワードや改訂ポイントなどを理解することは、教職教養対策の第一歩です。過去問題を解く、演習問題を解く、という対策段階に入る前に、自分が目指す学校種の学習指導要領、特に総則を中心に確認しておきましょう。なお、学習指導要領解説「総則編」では、後半部分でこれまでの指導要領の変遷についてまとめてくれているので、重宝します。

(2)教育法規の基本(教育基本法・学校教育法等)

学習指導要領の内容を一通り確認したら、教育法規の学習対策と関連付けましょう。指導要領の法的根拠、各学校の目的や目標、教育基本法に示されている「教育の目的」「教育の目標」との関連などがあります。教育基本法は、全条文を確認し、学校教育法やその他法規は、テーマ別に要点を確認しながら進めます。近年の法改正や、制度創設など時事的な内容とつながるものとしては、「学校運営協議会制度」「教育委員会改革」「中堅教諭等資質向上研修」「土曜日授業・体験的学習活動等休業日」「部活動指導員」などがあります。

(3)特別支援教育の基本

最近の出題で増加傾向にあるのが、特別支援教育の分野です。ここでは、特別支援学校・特別支援学級・通級による指導などの制度面を押さえるとともに、「インクルーシブ教育システム」などの新しいキーワードについて理解を深めることが大切です。「就学先の決定方法の変更」は、教育法規の分野と関連し、特別支援学級や通級による指導における「特別の教育課程の編成」は指導要領とも関連します。

(4)教育振興基本計画

以前、この連載でも取り上げましたが、「第3期教育振興基本計画」を確認しておきましょう。教育振興基本計画は教育基本法に基づき政府が策定する計画で、2008年に第1期計画が策定されて以降、13年に第2期、18年に第3期計画が策定されました。特に、第3期計画は、新学習指導要領との関連性も強いので、第1章の部分を中心に、現在の教育課題や、今後の未来予測など、背景的な事項を押さえておくとよいでしょう。系統的な教職教養対策の仕上げとして、振興計画を確認することで、知識同士のつながりが生まれやすくなり、理解も進みます。

◇ ◇ ◇

(1)と(4)の資料は、そのまま空欄補充形式で出題されることもあります。備えるようにしましょう。時期的な目安は、(1)~(3)とその他の教育原理や教育心理、教育史などの対策は3月末をめどに終わらせ、4月以降は教育時事の内容を本格的に深めます。東京都や愛知県など1次試験において論文を書かせる自治体を受験する場合は、1次試験までに「時事テーマの理解」だけでなく、「テーマについての自分のかかわり方(=問題意識)」を深める必要があります。計画的に進めましょう。

1.次に示すのは中央教育審議会答申「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」の一部である。空欄に当てはまる語句の組み合わせとして適切なものを1つ選びなさい。

学校が,より困難度を増している生徒指導上の課題に対応していくためには,教職員が心理や( A )等の専門家や関係機関,地域と連携し,チームとして課題解決に取り組むことが必要である。

例えば,子供たちの( B )の背景には,多くの場合,子供たちの心の問題とともに,家庭,友人関係,地域,学校など子供たちの置かれている環境の問題があり,子供たちの問題と環境の問題は複雑に絡み合っていることから,単に子供たちの( B )のみに着目して対応するだけでは,問題はなかなか解決できない。学校現場で,より効果的に対応していくためには,教員に加えて,心理の専門家であるカウンセラーや( A )の専門家であるソーシャルワーカーを活用し,子供たちの様々な情報を整理統合し,( C )やプランニングをした上で,教職員がチームで,問題を抱えた子供たちの支援を行うことが重要である。

さらに,いじめなど,子供たちの生命・身体や教育を受ける権利を脅かすような重大事案においては,校内の( D )や,専門機関との連携が不足し,子供たちのSOSが見過ごされていることがある。校長の( E )の下,チームを構成する個々人がそれぞれの立場や役割を認識しつつ,情報を共有し,課題に対応していく必要がある。

A     B      C       D        E

1.福祉  問題行動  アセスメント  情報共有  リーダーシップ

2.労働  問題行動  アライアンス  情報伝達  リーダーシップ

3.労働  学力低下  アセスメント  情報共有  リーダーシップ

4.福祉  学力低下  アセスメント  情報伝達   マネジメント

5.福祉  問題行動  アライアンス  情報共有   マネジメント

 

解答 1 解説:「チーム学校」答申は概要を確認しておこう。

 

2.中央教育審議会答申「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」で述べられた内容として適切でないものを選びなさい。

1.前回改訂において重視された学力の三要素のバランスのとれた育成や,各教科等を貫く改善の視点であった言語活動や体験活動の重視等については,学力が全体として改善傾向にあるという成果を受け継ぎ,引き続き充実を図ることが重要である

2.学ぶことと自分の人生や社会とのつながりを実感しながら,自らの能力を引き出し,学習したことを活用して,生活や社会の中で出会う課題の解決に主体的に生かしていけるように学校教育を改善すべきことが挙げられている。

3.言語活動の充実は,思考力・判断力・表現力等の育成に大きな効果を上げるとともに,子供たちが情報を的確に理解し,自分の考えの形成に生かしていくことについても期待以上の効果を上げており,引き続き記載することが重要である。

4.豊かな心や人間性,健やかな体の育成に関する子供たちの現状や課題に的確に対応していくためには,知・徳・体のバランスのとれた力である「生きる力」という理念をより具体化し,それがどのような資質・能力を育むことを目指しているのかを明確にしていくことが重要である。

5.「生きる力」の理念の具体化や,資質・能力と教育課程とのつながりの明確化を図ることにより,学習指導要領等が,個々の教室における具体的な指導がどのような力を育成するものであるかをより深く認識し,創意工夫を凝らして授業や指導を改善するための重要な手立てとなることが期待される。

 

解答3  解説:問題文の文章は「第3章2.「生きる力」の育成に向けた教育課程の課題 (1)教科等を学ぶ意義の明確化と,教科等横断的な教育課程の検討・ 改善に向けた課題」で述べられている内容である。正しくは,「言語活動の充実は,思考力・判断力・表現力等の育成に大きな効果を上げてきた一方で,子供たちが情報を的確に理解し,自分の考えの形成に生かしていけるようにすることには依然として課題が指摘されている。言語活動を通じて,どのような力を育み伸ばすのかを,より明確にして実践していくことの必要性が浮かび上がっている。」である。

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