【コロナ禍と教員採用試験(2)】現場に即した勉強ができない 着実な「一人学び」で自信を

元帝京大学・帝京科学大学教授 釼持勉
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教員採用試験の概要については、前回論じました。今回は、その影響と対策を中心にして3点について述べます。

1点目は、緊急事態宣言により、その後も人の出入りが制約され、特に学生にとっての実践の場である教育実習が中止・延期となってしまったことです。一定期間ではありますが、学校現場を体験することなく教採試験を受けることになってしまいました。このため、学校現場の状況や児童生徒の実態を理解することなく、現場のさまざまな状況が見えないまま教採試験に臨まなければならなくなりました。

特に、「今の児童生徒の実態をどのように見ていますか」「教師の働き方について、どのような考えをお持ちですか」「学級経営が大切だと言われていますが、どう考えますか」など現場に沿った具体的な質問に対し、適切な回答ができなかったという受験生からの報告もあります。

この影響は現在でも続いています。学校現場に対する理解度を上げることができない中での教採試験だったのですが、今夏も影響があると推測されます。

2点目は、「一人学び」を余儀なくさせられたことです。教採試験は、多様な情報交換や面接の練習など、仲間と一緒に学ぶことを前提にしている部分が多いのです。「一人学びの習慣」が身に付いていない学生も少なくありません。合格者から話を聞くと、「一人学び」に積極的に取り組み、1冊の参考書を徹底的に学んだり、面接カードを自作したりしたことが有効だったようです。最後は「一人学び」しかありません。今後も「一人学び」をどのように進めるかが命運を握るかもしれません。

3点目は、自分自身に自信を持つことです。上記のように試験勉強が十分にできず、不安と心配の教採試験は、これまでに経験したことのないコロナ禍でのものでした。不安と心配を払拭(ふっしょく)して教採試験に臨む手だてを講じて自信を得ることが重要になります。

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