【コロナ禍と教員採用試験(3)】今夏の教採試験の展望① 現時点では基礎知識の習得を第一に

元帝京大学・帝京科学大学教授 釼持勉
この連載の一覧

コロナ禍に教採試験がどのような影響を受けたのかについては、これまでの2回の連載で述べてきました。異例で対応が難しい状況であったということが理解できたでしょう。では、今夏の教採試験はどのような事態となるか、展望を論じたいと思います。

昨年実施された試験では、さまざまな事態を懸案して中止となる試験内容・科目などがありました。受験者の負担軽減のため、集団で実施される試験内容が中止になる事例が少なくありませんでした。集団面接や集団討論は3密を避けソーシャルディスタンスを保つ必要があることから大きな影響があったようです。模擬授業も、学生が大学に行って実際に黒板などを使用して学ぶ機会が失われたことから中止にする自治体もありました。では、この傾向について今後はどうなるでしょうか。

今年も4月ごろになると教採試験を実施する都道府県・政令指定都市から実施要項が発表されます。なるべく早めに入手して、しっかりと内容を確認しましょう。コロナ禍の影響は続くことが予想されますので、それに配慮した内容が示されていることと考えます。従来の試験とどこが同じでどこが異なるのか把握しましょう。それに対応した準備を考えましょう。

また、「新型コロナウイルスの今後の影響により、試験内容が急きょ変更となる可能性があります。その場合はホームページ等で速やかにお知らせします」などの注意書きが示されているかもしれません。場合によっては中止や変更となる試験内容・科目もあるでしょう。現在も緊急事態宣言が出されており、今後どうなるか予断を許しません。常に情報に敏感になりましょう。

教採試験の倍率ですが、小学校の教採試験の倍率は低下傾向が続いています。35人学級が第2学年から導入されることになりましたが、「教職のブラック化」がコロナ対応などで緩和されることがないでしょうから、この倍率低下は続くことが予想されます。将来的には22年度をめどに導入される予定の小学校高学年の教科担任制が教採試験の倍率に影響してくると思われます。

中・高校の場合をみると、社会と保健体育の倍率が全国的に高い水準を維持しています。全体的には倍率低下現象はあるものの、微減という状況は変わらないものと推測できます。

コロナ禍の状況によって今夏の教採試験は試験内容などが大きく変わることが予想され、その心構えだけはしておく必要があります。ただ、現時点での準備としては従来通りの内容、やり方で進めておくことがよいと思われます。基礎知識の習得を第一にして取り組みましょう。基本ができていれば、どのようにも対応できるからです。