【最新の教育評価入門講座(8)】採用試験で問われること…観点別評価 教科の特性により意味内容が異なる

教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸
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新学習指導要領における学習評価では、観点の構成がこれまでとは変わったため、変わった点を把握しておく必要があります。

従来の観点は4観点(国語は5観点)、つまり「知識・理解」「技能」「思考・判断・表現」「関心・意欲・態度」でした。これは観点の区分をする特徴を示したもので、実際の各教科の観点名は教科によって異なっていました。

しかし、新学習指導要領では全ての教科で3観点となり、教科によって異なっていた観点名も統一され、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」となりました。従来は教科によって観点名は異なっていたため、採用試験では教科ごとの観点名まで覚える必要はありませんでしたが、教科の観点名が統一されたため、この3つはしっかり覚えておく必要があります。

観点の名前が統一されたとはいえ、その意味内容は教科の特性により違いがあります。

特に気を付けるのは国語と外国語の「思考・判断・表現」です。実際の観点の意味内容を示した観点の趣旨(2019年3月29日、文科省「小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」の別紙4、5によれば、国語と外国語のこの観点では「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の3つが評価されます。「思考・判断・表現」という観点名から受け取る印象とはかなり異なっていますので注意してください。各観点は「十分満足できる」をA、「おおむね満足できる」をB、「努力を要する」をCの3段階で評価します。

第2回で述べた通り「知識・技能」の観点は、これまでの「知識・理解」と「技能」を1つにまとめたものとほぼ考えてよいでしょう。「主体的に学習に取り組む態度」に関しては、これまでの観点「関心・意欲・態度」の意味内容に加えて、「粘り強く学習に取り組む態度」と「メタ認知能力」が加わったものとなります。このため、この観点が最も変わったと考えられますので、違いを覚えておくとよいでしょう。従来の観点「関心・意欲・態度」では他の観点が全てCであっても、この観点だけAとなる可能性もありましたが、「メタ認知能力」の意味が新しい観点では加わったため、他の2つの観点でCCである場合、この観点でAとなることは通常ありません。逆に他の2つの観点がAAで、この観点はCということも通常はないと考えられます。

「知識・技能」と「思考・判断・表現」の違いは、大ざっぱに言えば、前者が個々別々の知識や技能の習得を評価する観点、後者は習得した知識や技能を統合して用い、課題や問題を解決する能力を評価する観点と考えられます。例えて言えば、コンピューターの部品(キーボード、ハードディスク、CPUなど)がそろっているかを評価するのが前者、これらを用いてコンピューターとしてうまく機能するかを評価するのが後者の観点となります。


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