【最新の教育評価入門講座(9)】採用試験で問われること…パフォーマンス評価など

教育評価総合研究所代表理事 鈴木秀幸
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多様な評価手段を用いられる

これまで評価の手段として主に用いられてきたペーパーテスト以外に、パフォーマンス評価やポートフォリオ評価が登場してきています。採用試験でもこれらの新しい評価手段の特徴を押さえておくことが必要になってきました。また、なぜこれらの新しい評価手段が登場してきたかも合わせて理解しておけば、高く評価されることとなります。

パフォーマンス評価とは、育成しようとする能力や技能を実際に用いる中で評価する方法です。連載の第3回でも述べたように、例えば理科の実験・観察活動をペーパーテストで評価するのではなく、実際に実験・観察活動をする中で評価することです。ペーパーテストでよい点を取っても、実際に実験・観察活動ができるとは限らないからです。このことを「パフォーマンス評価の方がペーパーテストよりも実験・観察の能力や技能を評価する場合、妥当性が高くなる」と回答できれば、極めて優秀な解答となります。妥当性という用語を用いている点が理解の深さを示すからです。

パフォーマンス評価が注目されているもう一つの要因は、コンピテンシーの重視によるものです。OECD(経済協力開発機構)の提唱するコンピテンシーは、新学習指導要領の作成過程で注目を集めるようになりました。新学習指導要領が「資質・能力」を育成することを重視しているのは、コンピテンシーの考え方を取り入れていると考えられます。コンピテンシーは実践力を求めるものであるため、評価においても実際の活動で評価するパフォーマンス評価が、コンピテンシーの評価には必要となります。

もう一つの新しい評価方法はポートフォリオ評価です。キャリア・パスポートとして話題になりましたが、結局中止されたJAPAN e‐Portfolioも一種のポートフォリオ評価です。このポートフォリオ評価の特徴と利用方法についても、理解しておく必要があります。ポイントは子供が学習活動で作成した作品(レポートや作文、制作物の写真など)のうち、子供の能力や技能を代表するものをファイルに保管することです。特にパフォーマンス評価の対象になった作品などを保存することが重要です。総合的な学習の時間の作品や、理科や社会科でのレポート、国語での作品(エッセイ、詩、評論など)を保存することが考えられます。

新しい評価手段だけでなく、ペーパーテストの特徴についても押さえておきましょう。

ペーパーテストにもいろいろな種類がありますが、センター試験などで用いられていた多肢選択式や、用語を答えるようなペーパーテストは、短時間で多くの学習事項を習得したかを評価するのに適しています。また採点も容易です。ただし、これらのペーパーテストでは「深い学び」の評価は困難です。ペーパーテストでも多くの文字数を書かせるような場合、例えば小論文のような場合はパフォーマンス評価の一種とも考えられます。

ペーパーテストからポートフォリオ評価まで、いろいろな評価手段を用いて子供の能力や技能を幅広く評価することが重要です。


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