【模擬授業の心得(1)】模擬授業の考え方・進め方①

共栄大学准教授/元埼玉県小学校教諭 小川 拓
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教員採用試験で模擬授業を行っている自治体は数多くあります。それだけ模擬授業を大切にしている理由は何でしょうか。

「教師は授業で勝負する」という言葉があるように、より良い授業を行えば、児童生徒の学力は伸びます。そして、その様子をすかさず褒めることで、子供はさらにやる気を出し、成長していきます。また、子供たちは「自分を認めてくれる教師」を信頼します。より良い授業を行えば、児童生徒は「ふざける暇」もありません。全てがうまく回りだします。

逆に、より良い授業を行うことができなければ、子供はふざけ出し、教師に叱られる(怒られる)ことが増えます。そうすれば学力も伸びず、授業者との信頼関係も崩れ、「負のスパイラル」に陥ります。

模擬授業は7分前後で行われることが多いようです。そんな短時間で、授業の力量が分かるのでしょうか。答えは「イエス」です。試験官である校長レベルの人が見れば、7分もあれば十分に授業力を見ることができます。人間性さえも判断できる時間と言えるでしょう。

それでは、その短時間でどのようなことに注意を払い、授業を組み立て、実施すればよいのでしょうか。

第一歩として、受験自治体の出題傾向を知ることが重要です。傾向を知ることで作戦を立て、準備することができます。模擬授業の出題形式は、大きく以下のように分類することができます。

  1. 学習指導案作成実施型
  2. 教科のみ指定型(学年指定なし)
  3. 指導内容(略案)提示型
  4. 教科・内容・学年指定無型

1.の「学習指導案作成実施型」は、自分で、もしくは指定された内容について学習指導案(略案を含む)を作成した上で実施するものです。比較的やりやすいように思えますが、全受験者が万全の準備をすることができるため、試験官の採点基準も厳しくなります。

2.の「教科のみ指定型」は、小学校であれば、「国語と算数」。中高であれば「専門教科」「道徳科」などのように指定されます。複数学年の授業内容を準備していかなければいけません。

3.の「指導内容(略案)提示型」は、その場で授業内容が提示されます。簡単な内容や略案が記載されたペーパーがその場で配られるので、数分で細部の構想、準備をしなければいけません。

4.の「教科・内容・学年指定無型」は、当日まで全く何が出るか分からないものです。「キーワード」のみ提示され、授業を行うよう求められる自治体もあります。まさに、対応力が試されます。

次回は、模擬授業試験の分析と準備について解説していきます。


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