【場面指導のポイント(1)】場面指導、なぜ増加?

共栄大学客員教授 中根政美
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出題が増加する場面指導 

教員採用試験で、場面指導を実施する自治体が増えています。理由は、さまざまな教育課題に対し、「即戦力」として適切に対応できる判断力や指導力が、求められているからです。試験で問われるのは、児童生徒に寄り添い、適切な指導・対応ができる資質能力です。そのため、出題される「場面」の多くは、授業中をはじめ学校生活で直面し得る現実的な場面であり、瞬時の「判断力」「対応力」「指導力」が求められます。具体的に「授業中、低学年の児童が突然泣き出しました。どう対応しますか?」「昼休み、一人教室に残っている生徒がいます。どう対応しますか?」など、学校の「あるある」場面への対応力が問われます。

出題形式は大きく2種類

場面指導の出題形式は、大きく2種類に分類されます。「実演型」と「質疑応答型」です。「実演型」は、実際に面接官を児童生徒に見立てて指導することが求められ、短時間ではありますが、指導を実演します。ある自治体では、「2分間構想し、3分間指導を実演してください」といった形で出題されています。もう一つの「質疑応答型」は、個人面接等の中で質問として問われ、口頭で答えるものです。回答に対しての追加の質問がなされることも多く、より具体的かつ深い回答が求められます。

対応は「3段階」で行うのが基本

どのような場面に対しても、「まず」「次に」「そして」の3段階で対応するのが基本です。「まず」場面の状況を把握し、初期対応します。「次に」具体的な対応策や指導を考えて対応します。「そして」指導で重要なのはどのようなことなのか、そもそも、何が必要だったのか、対応の方針と具体的な指導について、面接官(試験官)に伝えます。このように、「まず、~」「次に、~」「そして、~」の順での対応を進めることで、落ち着いて実演・回答できます。

児童生徒が目の前にいると想定

「実演型」「質疑応答型」いずれの場合も、児童生徒が目の前にいると想定し、発達段階(校種、学年)、学級の状態を考慮して指導することが大切です。そして、最終的には児童生徒への指導が浸透した状態、すなわち児童生徒が納得して指導を受け入れた状況をイメージして、実演・回答を終えることが重要です。「実演型」では、実演後の質疑応答で、配慮した点や指導の狙いなどを聞かれるのが一般的です。
次回からは、具体的な場面を挙げながら、「絶対外せない指導のポイント」を解説していきたいと思います。


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