【場面指導のポイント(2)】子供が突然泣き出した(実演型)

共栄大学客員教授 中根政美
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【出題】

授業中、ある児童(小学校低学年)が突然泣き出しました。どう対応しますか。3分間で指導してください。面接官を児童に見立ててください。児童役の面接官の発言にも対応してください。それでは、始めてください。(指導の途中で、児童役の面接官は、数度、短く発言します。)

丁寧に、順序を踏まえて対応

このような場面では、「まず」:泣き出した理由を確認するために、授業を中断し「どうしたの?」と問い掛けます。それでも児童は泣き続けるので、隣の児童に「どうして泣いているの?」と聞きます。「分からない」と答えたと想定して、ここで全体に向けて「黒板の問題を解いていてね。先生はAさんのお話を聞きます」などの指示を出します。

考えられる原因としては、「トイレと」言い出せずにお漏らしをしてしまった、休み時間中に意地悪をされたことを思い出した、登校前の保護者の不仲を思い出した……などが考えられるので、さまざまな理由を想定ししながら、丁寧に順序を踏まえて対応します。その上で、児童を安心させ、授業に戻ります。

外せないポイント① 全体への指示

「実演型」の場面指導では、該当児童への指導に集中しすぎて、全体に目が向きづらくなります。当該児童に対応しつつ、全体への指示ができる視野の広さを持っているかどうかは、面接官が見る大きなポイントです。

外せないポイント② 泣き出した理由の確認

泣き出した理由は、幅広く想定します。実演後の質疑応答で、面接官からは、「泣きだした理由をどのように考えたのですか?」「なぜ、そう考えたのですか?」などと必ず聞かれます。その際は、実演時に想定した理由について説明すると同時に、想定されるその他の理由についても述べることができれば、柔軟な対応力を備えていることを面接官に伝えることができます。

外せないポイント③ 事態が収束後の指導

場面指導の狙いは、とっさの判断力や対応力を見ることですが、もう一つ、事態が収束した後の指導・ケア・見届けの姿勢も評価ポイントです。例えば、お漏らしが理由だったとすれば、「トイレに行きたいことを伝えやすい学級であること」「児童Aが、いじめや差別にあうことのないよう見届けること」「保護者に連絡すると同時に、保護者の不安を取り除けるよう対応すること」などがポイントとなります。

外せないポイント④ ポジティブに終了する

実演の終盤では、児童生徒が落ち着きを取り戻したり、納得したりといった形で、ポジティブな状態で終了させることが大切です。


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