【場面指導のポイント(3)】体育館裏にたばこの吸い殻が(質疑応答型)

共栄大学客員教授 中根政美
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【出題】

昼休み、体育館裏から数人の男子生徒が出て来て、あなたとすれ違いました。体育館裏に行くとたばこの吸い殻がありました。どう対応しますか。

回答は、順序性と判断力が重要

生徒の喫煙という問題行動は、減少していますが、それでも、時として発生します。「非行への入り口」とも呼ばれるこの問題にどう対処するのか、生徒指導力と判断力が問われる場面指導です。

以下、「質疑応答型」の場面指導を想定して、面接官とのやり取り例を示します。

面接官:体育館裏から出て来た生徒たちの落ち着きのなさに気付きました。どうしますか?

受験者:生徒たちがいたと思われる場所に行き、状況を確認します。

面接官:たばこの吸い殻を見つけました。どうしますか?

受験者:周囲の状況を確認し、他の教師と共に状況を確認します。その上で、生徒たちから個別に話を聞き、喫煙の事実について確認します。喫煙が成長段階にある自身の健康に害があること、法律で禁止されていることも伝え、管理職らにも報告します。

面接官:生徒たちが喫煙を認めません。どうしますか?

受験者:健康被害の重大さと常習化のリスクを伝え、粘り強く指導します。

面接官:未成年者の喫煙を防ぐために重要なことはどのようなことですか?

受験者:発達段階に応じた禁煙教育を、具体的な事例をもとに計画的に行っていくことです。また、薬物乱用防止教育と関連させ、生徒たちの心に響く指導を行うことです。

外せないポイント① 事実確認と共通理解

生徒指導で重要なのは、事実の正確な把握と共通理解です。痕跡の残る喫煙場所を他の教師と共に細かく、正確に確認します。その上で、毅然とした態度で当該生徒に指導を行います。独りで抱え込まず、学年全体で対応することも重要です。

外せないポイント② 「法律で禁止されているから」では弱い

喫煙にいたる状況(好奇心、交友関係や成績不振、家庭内トラブル、親・教師への反発など)を踏まえ、具体的な事例を通じ、喫煙や薬物乱用の害を学ばせていく必要があります。「法律で禁止されているから」だけでは、説得力がありません。健康被害について、ディベートや調べ学習なども行い、生徒に主体的に学ばせていく視点が求められます。

外せないポイント③ 保護者の協力

薬物乱用防止教室や保護者会などの場を通じて、保護者の理解と協力を得ます。児童生徒の心身の健全な成長を願う教師としての姿勢は、保護者と共通するものです。


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