【模擬授業の心得(5)】「準備~導入」の組み立て方

共栄大学准教授/元埼玉県小学校教諭 小川 拓
この連載の一覧

模擬授業では、多くの場合、「導入」もしくは「展開」の前半から行います。授業内容が当日示される場合は、その時点からの数分間で、必死になって授業の流れを考えなければいけません。そのため、教科書をしっかりと読んでおく必要があります。中学・高校の場合は教科が決まっているので比較的容易かもしれませんが、小学校の場合は教科・領域が非常に広いため、過去問の分析が欠かせません。例えば、国語科の場合は、「物語文」「説明文」「詩」「文法」などの領域ごとに、大まかな流れを考えておくとよいでしょう。

中学・高校の場合、受験者は自分の得意教科で模擬授業をするケースが多いと思います。とはいえ、教える内容は理解していても、うまく教えられない人はいます。「分かっている」と「教えられる」には、大きな違いがあるからです。

それでは、「導入」について考えていきましょう。「皆さんは模擬授業を行う際、最初に何を考えますか?」と受験者に聞くと、多くの人が「どのように教えていくかを考える」と答えます。間違えではありませんが、初めに考えるべき最も重要なことは「既習内容」です。児童生徒の既習内容の上に、本時(模擬授業を行う授業)があるからです。

模擬授業では、その既習内容を活用しながら課題を解決していくような形で組み立てます。模擬授業の初めに「前時では○○を学びました」というような発言があれば、試験官も「単元全体の指導計画(内容)が頭に入っているな」と思います。それだけで加点になるケースもあるでしょう。

模擬授業「導入」の際に、気を付けることは、「めあて」の提示です。本当の授業であれば、「導入」の中盤から後半に提示することもあると思いますが、模擬授業でそうすると、制限時間内に提示できず、大きく減点されてしまう可能性があります。問題・課題を提示したら、すぐに「めあて」を提示しましょう。場合によっては、「よろしくお願いいします。本日の『めあて』は……」という流れでも構いません。多少強引ですが、出さないよりはずっとマシです。

その後は、次のようなポイントを踏まえながら、課題に応じた導入を心掛けてください。

  • 児童生徒の生活、社会と関連付けた導入。
  • 実物・具体物や映像・動画などのICTを活用し、視覚的で分かりやすい導入。
  • 本時の課題を明確に示し、学習の見通しを持たせ、学習意欲を高める導入。

この連載の一覧